2025年3月21日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)2月分」によると、前年同月比に比べて総合指数は3.7%の上昇。
 
テレビのニュース等でもよく耳にするとおり、物価高はここ数年ずっと続いています。現役世代の方の中には、給与は上がらないのに生活費の負担は増える一方だからやり繰りが大変という声を上げる方も多いです。
 
また、少ない年金で生活を送る高齢者の方たちにとって、この物価高の問題は見過ごせないものです。
 
筆者が前職の金融機関に勤めていた時も、年金だけで老後の生活をやり繰りするのは厳しいという方は非常に多かったです。
 
では、「年金が少ない」と聞きますが、実際いまの高齢者は年金をいくらぐらい受け取っているのでしょう。
 
今回は、いまのシニアの年金事情について詳しく見ていきながら老後への備え方について解説していきます。

1. 2025年度「国民年金」と「厚生年金」の最新年金額例はいくら?

公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直されるルールです。2025年度の年金額は、前年より1.9%引き上げられることが決まっています(※)

※厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」2025年1月25日公表

1.1 2025年度の「国民年金」と「厚生年金」の年金額例

【最新版】2025年度「国民年金」と「厚生年金」の年金額例

2025年度最新の「国民年金」と「厚生年金」の年金額例

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、モデル夫婦世帯(※1)は夫婦2人分で月額23万2784円。国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。

夫婦ともに国民年金(満額と仮定)を受け取る世帯の場合、2人分の合算額はひと月13万8616円となります。

では、改定された年金額となるのは、いつ支給される年金からでしょうか。

※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額