総務省から「令和6年平均の全国消費者物価指数」(生鮮食品を含む総合指数)が公表され、前年比2.7%の上昇となりました。3年連続で2%を超えています。

米の価格上昇や、円安傾向が続いていることによる輸入物価の上昇などがじわじわと家計を圧迫してきており、特に低所得世帯への影響は大きくなっています。

そこで政府は、経済対策として住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円を給付することを決定し、自治体ごとに給付を進めています。

本記事では3万円給付の最新情報と、対象となる住民税非課税世帯について解説します。

1. 住民税非課税世帯への3万円給付とは

「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた 総合経済対策」における物価高騰対策として、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円を支給します。さらに、住民税非課税世帯のうちの子育て世帯には、子ども1人あたり2万円が加算されます。

  • 住民税非課税世帯:1世帯あたり3万円支給
  • 住民税非課税世帯のうち子育て世帯:子ども1人あたり2万円加算

子どもが2人いる住民税非課税世帯であれば、合計7万円の支給となります。

2. 支給対象である住民税非課税世帯とは

住民税非課税世帯とは、所得が一定水準以下であるため住民税が課されない世帯を指します。

住民税には所得割と均等割があり、住民税非課税世帯は世帯全員がそのどちらも非課税である場合に該当します。

住民税非課税世帯に該当する収入の基準は、住んでいる地域や扶養している親族の数などによって異なります。

2.1 所得割・均等割とも非課税になる条件

  1.  生活保護法による生活扶助を受けている方
  2.  障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000未満)の方
  3.  前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方

東京23区内(1級地)の例

<同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合>

  • 35万円 × (本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数) + 31万円 以下

<同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合>

  • 45万円以下

独身の場合は、給与収入が100万円以下(合計所得金額が45万円以下)であれば、住民税非課税世帯に該当します。3人家族(生計を一にしている配偶者と子ども1人)の場合は、給与収入が206万円以下(合計所得金額が136万円以下)であれば、住民税非課税世帯に該当します。給与収入から給与所得控除額を差し引いた額が給与所得金額になり、他に所得がなければ、これが合計所得金額になります。

年金受給者の場合は、年金収入から公的年金等控除額を差し引くことになるので、収入の目安が異なります。

3. 住民税非課税世帯の年収の目安

住民税非課税世帯の年収の目安は、収入の種類(給与収入、年金収入など)、世帯構成、住んでいる地域によって異なります。

住民税の均等割には、地域ごとの物価や生活水準の差を考慮した基準額が設けられており、1級地、2級地、3級地の3つの基準額があります。1級地が都市部となり、一番限度額が高く設定されます。お住まいの地域がどの級地区分になるのかは、厚生労働省のサイトから確認できます。

参照:厚生労働省「級地区分(平成30年10月1日版)」

給与所得者と年金受給者に分けて、世帯構成と級地区分ごとの年収の目安を表にしました。なお、表中の夫婦とは、給与所得者または年金受給者が配偶者を扶養している夫婦を指します。

3.1 給与所得者

住民税非課税世帯の年収の目安2/5

住民税非課税世帯の年収の目安

出所:筆者作成

3.2 年金受給者

住民税非課税世帯の年収の目安3/5

住民税非課税世帯の年収の目安

出所:筆者作成

住民税非課税世帯に該当する年収の上限は、給与所得者と年金受給者で異なっています。

1級地の場合、給与所得者は単身で100万円以下、夫婦で156万円以下であるのに対し、65歳以上の年金受給者は単身で155万円以下、夫婦で211万円以下と、給与所得者よりも年収の上限が高くなっています。

そのため、年金受給者の方が住民税非課税世帯に該当しやすいといえます。

4. 年代別の住民税非課税世帯の割合

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」から、全世帯に占める住民税非課税世帯の割合を年代別に確認してみましょう。

年代別の住民税非課税世帯の割合4/5

年代別の住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとに筆者作成

無作為に抽出した4674世帯のうち住民税非課税世帯は1279世帯であり、割合にすると27.4%となります。年代別にみていくと29歳以下が32.7%と割合が高くなっていますが、世帯数は少なくなっています。60代以降は年代が上がるに従って割合が大きく増えていき、80歳以上は住民税非課税世帯が半分以上を占めます。

住民税非課税世帯の中での年齢構成をわかりやすく円グラフにしてみました。

5. 住民税非課税世帯の年齢構成

住民税非課税世帯の年齢構成5/5

住民税非課税世帯の年齢構成

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとに筆者作成

  • 29歳以下:4.1%
  • 30歳代:2.7%
  • 40歳代:4.1%
  • 50歳代:8.3%
  • 60歳代:16.6%
  • 70歳代:33.8%
  • 80歳以上:30.4%

60歳以上の割合は80.8%です。住民税非課税世帯の8割が60歳以上ということです。

年金生活に入ると、現役時代と比べて収入が大幅に減るので、高齢者世帯は住民税非課税世帯に該当しやすいといえます。

6. 支給時期と申請方法

支給時期と申請方法を確認しておきましょう。

6.1 支給時期

支給時期は自治体によって異なります。早いところでは1月から支給が始まっている自治体もありますが、多くの自治体では2月から3月にかけて、「支給のお知らせ」が該当する世帯に届き、その後支給となるようです。

詳しくはお住まいの自治体のホームページでご確認ください。

6.2 申請方法

自治体によって申請方法は異なりますので、必ず自治体のホームページで確認してください。ここでは、大まかな流れをご紹介します。

<自治体が課税情報と振込口座を把握している場合>

世帯主が給付金などを受け取るための口座をマイナポータルなどを通じて登録している、または、以前に支援給付金(7万円または10万円)を世帯主の口座で受給済みの場合は、「支給のお知らせ」が自宅に届きます。申請の手続きは不要です。「支給のお知らせ」に記載の口座に給付金が振り込まれます。

<自治体が課税情報と振込口座を把握していない場合>

7万円または10万円の給付金を受給していない、世帯主の口座以外で受給した、新たに非課税世帯になったなど、自治体が課税情報と振込口座を確認できていない場合は、「確認書」または「申請書」が届きます。期限までに必要事項を記入し、提出書類とともに返送します。書類審査後、不備がなければ指定した口座に給付金が振り込まれます。

7. まとめ

政府は物価高騰対策として、住民税非課税世帯に対し1世帯あたり3万円(子育て世帯には子ども1人あたり2万円加算)を給付する経済的支援を開始しました。支給時期は自治体により異なり、多くは2月から3月にかけて実施される模様です。

住民税非課税世帯に該当する方は、お住まいの自治体ホームページで支給時期や申請方法を事前に確認しておくといいでしょう。

参考資料