3. 約6割の高齢者は生活にゆとりを感じられていない
厚生労働省の「2023年調査 国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯に対して生活意識について調査をしたところ、「大変苦しい」と「やや苦しい」と回答した割合が約6割(59.6%)となっています。
受給できる年金額や支出額は世帯によって異なるため一概にはいえないものの、多くの高齢者世帯は「生活にゆとりを感じられていない」状況が見て取れます。
4. 家計簿アプリで支出を把握しよう
高齢になると働いて収入を得るのが難しくなるため、加齢に伴って収入を年金に依存します。収入を増やすのが難しくなる以上、支出を抑えて家計の健全度を高めるとよいでしょう。
昨今はさまざまな家計簿アプリが登場しており、手間をかけずに家計管理を行えます。銀行口座とクレジットカードを紐づければ、わざわざ紙に記帳せずとも自動で家計状況を視覚化してくれるため、便利です。
家計簿アプリでカバーできないのは現金を使う場面だけであり、従来の家計管理よりも圧倒的に事務的なコストが軽いというメリットがあります。
また、家計簿アプリを活用すれば「使途不明金」が明らかになります。食費や光熱費、娯楽費などに分類できない「その他」の費用もきちんと集計してくれるため、無駄遣いに気づきやすくなるメリットが期待できるのです。
「無自覚だがコンビニで余計な買い物をしていた」「ついついセールにつられてネットショッピングで浪費してしまった」という事実が数字として明らかになれば、支出に歯止めがかかるでしょう。
日常生活の中で、自分で無駄遣いを自覚するのは難しいものです。家計簿アプリを使って家計状況を白日の下にさらすことで、支出を抑える重要性に気付き、節約に意識が向くようになるでしょう。
5. まとめにかえて
年金の受給額は保険料納付実績によって異なるため、まずは自分の受給額を把握する必要があります。実際に受け取れる金額をベースに、どのような生活を送るか考えましょう。
できるだけ長く働いたり、公的年金の繰下げ受給をしたりすると生涯収入を増やせます。経済的な不安を軽減するうえで、有効な対策となるでしょう。
あわせて、支出を減らすことも家計の健全度を高めるうえで欠かせません。家計簿アプリを使用すれば、手間をかけずに家計状況を明らかにできるため、有効活用しましょう。
参考資料
柴田 充輝