4. まとめにかえて
65歳以上の無職世帯の現状について、さまざまな調査データをもとに確認してきました。
月々の支出が3万7916円の赤字という結果に、驚いた方も少なくないでしょう。現時点でこのような赤字が出ている状況を考えると、今後も値上げが続けば、生活費の不足額はさらに拡大することが予想されます。
こうした背景からも、これからリタイアを迎える世代にとって、計画的な老後資金の準備は避けて通れない課題と言えます。貯蓄だけでは十分でないケースもあるため、投資を取り入れて資産を効率的に増やすことも有効な手段の一つです。
まずは、自分の資産状況をきちんと把握し、今回の調査結果を参考にしながら、「老後にどのような暮らしをしたいか」を具体的にイメージしてみましょう。生活水準の目標を明確にすることで、必要な生活費や貯蓄目標がよりはっきりと見えてくるはずです。
その上で、新NISAやiDeCoといった非課税制度を活用し、無理のない範囲で資産形成に取り組んでみてはいかがでしょうか。将来への不安を少しでも減らすために、今できることを一歩ずつ進めていくことが大切です。
参考資料
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)1月分(2025年2月21日公表)」
- 内閣府「国民生活に関する世論調査(令和6年8月調査)」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)12月分(2025年1月24日公表)
三石 由佳