老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あり、厚生年金の被保険者期間がある方は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できます。
会社員や公務員の方が加入する厚生年金は、国民年金と異なり、加入していたときの給与や賞与額によって、将来の年金額が決まります。
将来受け取る年金額が人によって異なるだけに、自分がいくらもらえるのか、知りたい人も多いかもしれません。
そこで今回は、平均年収500万円の方が、新卒入社で65歳まで働いた場合に受け取れる年金額について計算します。
現在のシニアが受け取っている厚生年金の平均受給額についてもお伝えしますので、さっそくみていきましょう。
1. 【最新】厚生年金の受給額、平均はいくら?
まず最初に、厚生労働省の資料(「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 )より、令和5年度の厚生年金の平均受給額を確認してみましょう。
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平均年金月額:14万6429円
【内訳】男子:16万6606円、女子:10万7200円
※上記は基礎年金月額を含む
男性と女性で6万円の差がありますが、全体の平均は14.6万円となっています。
上記は現在のシニアが受け取っている年金額の平均ですが、年金額は物価変動や賃金変動率、さらにスライド調整率によって、毎年改定されています。
私たちが受け取る年金額は、さまざまな影響を受けて年度ごとに変わっているわけですが、とくに2025年は5年に一度の年金改正の年になっています。
現在、在職老齢年金制度の見直し、パート労働者への厚生年金の適用拡大などが議論されているところで、改正案が可決すれば、将来受け取る年金額にも影響がでそうです。
2. 老齢年金の計算方法は?【老齢厚生年金の場合】
国民年金や厚生年金に加入している人は、一定の条件を満たせば、原則として65歳から老齢年金を受け取ることができます。
老齢年金には「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があり、老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた期間があり、老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上ある方が受け取れる年金です。
老齢厚生年金額は、厚生年金加入時の給与や賞与、加入期間等から算出します。計算式は以下のとおりです。
2.1 老齢厚生年金の計算方法
老齢厚生年金額=報酬比例部分(A+B)
A:平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額× 7.125/1000 × 厚生年金加入月数(平成15年3月までの加入月数)
B:平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 厚生年金加入月数(平成15年4月以降の加入月数)
※一定条件に該当する人は65歳以降に受け取る報酬比例部分に加えて、経過的加算と加給年金額を合計した額が受け取れます。
※昭和36年4月1日以前が誕生日の男性、昭和41年4月1日以前が誕生日の女性で、厚生年金に加入していた人は、65歳になる前に「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れます。
平成15年3月以前から厚生年金に加入している方は、平成15年3月以前と4月以降で、加入月数を別々にカウントする必要がありますが、平成15年4月以降に入社した方は、Bのみの計算式で年金額が計算できます。
次に、計算式に出てくる用語を確認してみましょう。それぞれの意味がわかれば、年金への理解が深まり、計算もしやすくなります。
2.2 標準報酬月額とは?
「標準報酬月額」とは、厚生年金の保険料額や受け取る年金額を決定するときに、計算のもととなる金額です。
4月、5月、6月の給与総額をその期間の総月数(3カ月)で割った額を報酬月額とし、1~32の等級のなかで該当する区分により標準報酬月額を決定します。
【標準報酬月額の計算例】
- 4月の給与:31.5万円
- 5月の給与:30万円
- 6月の給与:33万円
(31.5万円+30万円+33万円)÷3カ月=31.5万円(報酬月額)
31.5万円は20等級にあたり、標準報酬月額は32万円になります。
標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月まで使用しますが、報酬額が大きく変動したときには、定時決定を待たずに改定する場合もあります。
標準報酬月額は年金定期便にも載っていますので、確認してみましょう。
2.3 平均標準報酬月額、平均標準報酬額とは?
平均標準報酬月額とは、平成15年3月以前の加入期間における、各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月以前の加入期間で割って得られた額のことです。
また、平均標準報酬額とは、平成15年4月以降の加入期間における、各月の標準報酬月額の総額と標準賞与額の総額の合計額を、平成15年4月以降の加入期間で割って得られた額のことです。
3. 平均年収500万円・新卒入社→65歳まで勤務した会社員、受け取れる年金額はいくら?
それでは、下記の条件をもとに年金額を計算してみます。
- 平成15年4月以降の年に、新卒で入社
- 平均標準報酬月額:41万円
- 賞与なし
- 65歳になる4月末に退社(厚生年金の加入月は517カ月)
平均標準報酬額を求めるには、新卒で入社した4月から65歳4月末までの各月の標準報酬月額の総額と標準賞与額の総額を足して、加入月数の517ヵ月で割る必要があります。
ここでは計算を簡単にするために、生涯の平均年収を500万とし、それを12ヶ月で割って算出した41.7万円を報酬月額とします。標準報酬月額は24等級の41万円です。
また「賞与なし」の条件なので、平均標準報酬額は標準報酬月額と同額になります。
【厚生年金部分の計算例】
平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 厚生年金加入月数(平成15年4月以降の加入月数)
平均標準報酬額=41万円
41万円× 5.481/1000 × 517か月=116万1808円
厚生年金部分(報酬比例部分)に関しては、老齢厚生年金額は116万1808円になり、ひと月あたり9万6817円の老齢厚生年金を受け取れます。
これに老齢基礎年金が加わると、将来受け取る年金額になります。
令和6年度の老齢基礎年金は、40年間の納付(満額)で月額6万8000円が受給できるので、老齢厚生年金と合わせると月額16万4817円になります。
4. 年金のことは「ねんきん定期便」でチェック!
いかがでしたでしょうか。今回の計算は自分の年金額を概算で計算するときに適していますが、もし、自分の年金額を正確に知りたいのであれば、ねんきん定期便をチェックしてみましょう。
ねんきん定期便とは、日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる年金のお知らせです。将来の受け取り額がわかるほか、とくに35歳、45歳、59歳では封書で明細が届き、過去の納付状況の詳細なども確認できます。
年金定期便以外では、ウェブサービスの「ねんきんネット」がおすすめです。登録しておくと、いつでも年金記録を確認できるので便利です。
年金額は自分の将来設計のために必要なお金の情報です。概算でも構いませんので自分の年金額を把握しておき、将来の資産づくりに、ぜひ役立ててください。