3. 平均年収500万円・新卒入社→65歳まで勤務した会社員、受け取れる年金額はいくら?

それでは、下記の条件をもとに年金額を計算してみます。

  • 平成15年4月以降の年に、新卒で入社
  • 平均標準報酬月額:41万円
  • 賞与なし
  • 65歳になる4月末に退社(厚生年金の加入月は517カ月)

平均標準報酬額を求めるには、新卒で入社した4月から65歳4月末までの各月の標準報酬月額の総額と標準賞与額の総額を足して、加入月数の517ヵ月で割る必要があります。

ここでは計算を簡単にするために、生涯の平均年収を500万とし、それを12ヶ月で割って算出した41.7万円を報酬月額とします。標準報酬月額は24等級の41万円です。

また「賞与なし」の条件なので、平均標準報酬額は標準報酬月額と同額になります。

【厚生年金部分の計算例】

平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 厚生年金加入月数(平成15年4月以降の加入月数)

平均標準報酬額=41万円
41万円× 5.481/1000 × 517か月=116万1808円

厚生年金部分(報酬比例部分)に関しては、老齢厚生年金額は116万1808円になり、ひと月あたり9万6817円の老齢厚生年金を受け取れます。

これに老齢基礎年金が加わると、将来受け取る年金額になります。

令和6年度の老齢基礎年金は、40年間の納付(満額)で月額6万8000円が受給できるので、老齢厚生年金と合わせると月額16万4817円になります。

4. 年金のことは「ねんきん定期便」でチェック!

いかがでしたでしょうか。今回の計算は自分の年金額を概算で計算するときに適していますが、もし、自分の年金額を正確に知りたいのであれば、ねんきん定期便をチェックしてみましょう。

ねんきん定期便とは、日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる年金のお知らせです。将来の受け取り額がわかるほか、とくに35歳、45歳、59歳では封書で明細が届き、過去の納付状況の詳細なども確認できます。

年金定期便以外では、ウェブサービスの「ねんきんネット」がおすすめです。登録しておくと、いつでも年金記録を確認できるので便利です。

年金額は自分の将来設計のために必要なお金の情報です。概算でも構いませんので自分の年金額を把握しておき、将来の資産づくりに、ぜひ役立ててください。

参考資料