次回の年金支給日は4月15日です。年金支給日は、多くの年金受給者の方が銀行に訪れます。
2ヶ月に1度の支給日ということもあり、それだけ年金が老後生活を支えているということですね。
筆者はファイナンシャルアドバイザーとして業務を行っていますが、年金について相談を受けることもあります。
ただし、将来年金をどれくらい受け取れるか、そしてどれほどの不足額を個人で準備しなけれいけないかは、人によって異なります。
年金だけで老後生活を送れる方もいれば、年金だけでは老後生活を送れない人もいるということです。実際に貯蓄を取り崩して老後生活を送っている人も多くいらっしゃいました。
できれば「年金をたくさんもらいたい」と思うものですよね。
では、今のシニアで「月額30万円以上」もの年金を受給できる人はどれほどいるのでしょうか。
1. 公的年金制度「厚生年金と国民年金」あり
公的年金には厚生年金保険と国民年金があります。
そもそも、厚生年金に加入していない人は「月額30万円」もの年金を受給することは不可能です。
1.1 国民年金(老齢基礎年金)
国民年金は日本に住む20歳から60歳未満の全ての人が原則として加入し、一律の保険料(年度ごとに改定)を納めます。
40年間すべて納付すれば老後に満額の国民年金を受給できます。
1.2 厚生年金(老齢厚生年金)
会社員や公務員などは、国民年金の上乗せして厚生年金にも加入します。
厚生年金の保険料は給与や賞与などの報酬に応じて決定されます(上限あり)。そのため厚生年金は個人差が大きく、将来の受給額の予測がつきにくいでしょう。
ねんきんネットやねんきん定期便を利用して、将来の受給額目安を確認することが重要です。
2. 【公的年金】厚生年金と国民年金の平均受給額にせまる
では、公的年金の平均的な受給額はいくらでしょうか。
平均のみでは実態が見えにくいため、1万円刻みの受給権者数とともに確認していきます。
2.1 「厚生年金」の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
2.2 年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
厚生年金は平均が14万円台。ただし、男女の平均で約6万円もの差があります。これは女性の方がライフイベントにより働き方をセーブしたり、男性に比べると収入が低いところなどが影響しているでしょう。
ボリュームゾーンをは9~12万円未満、16~19万円未満となっています。
2.3 月額30万円以上の人の割合
30万円以上は1万4292人であり、全体の0.089%でした。
さらに、上記は国民年金を含む金額です。つまり、厚生年金という上乗せがある人であっても、年金を30万円以上受け取れる人はほとんどいないのです。
3. 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額はいくら?
参考までに、国民年金についても確認しましょう。
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
3.1 年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金は保険料が一律なので、男女差も個人差も厚生年金に比べれば少ないことがわかります。
こうした「国民年金のみの加入者」も含めると、年金だけで30万円以上もの収入を得ている人はかなりの少数派だといえるでしょう。
年金収入が十分でない場合は、やはり老後の備えが必要となります。
4. 現役世代の平均給与は33万400円
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、現役世代の平均給与は33万400円であることがわかりました。
前年より3.8%増えた形です。
なお、男女別に見ると男性は36万3100円、女性は27万5300円でした。
現役世代の給与と年金収入と比べると、当然ながら年金の方が低くなります。
ごくわずかの「月額30万円以上」という年金を受け取っている人は、その分現役当時の給与が高かったと言えます。
つまり、どれほどの高額受給者であっても「今より収入が減る」という実情を踏まえ、生活費をダウンサイジングしたり、老後資金を確保したりする必要があるということです。
5. 年金だけに頼らない老後を
今回は年金について深掘りをしていきました。
年金は老後生活資金の柱です。年金について理解を深めることは老後生活を送るうえで重要です。冒頭でお伝えしたように年金だけで老後生活を送るのが難しい人も一定数いらっしゃいます。
我々現役世代は年金だけで老後生活を送るのが難しくなっていることを踏まえ、早めの準備が大切です。老後資金を準備する方法は様々ですが、最近は資産運用を取り入れる方も増えていますね。
ご自身に合った方法で資産を準備してみてはいかがでしょうか。


