3. 遺族年金の平均受給額はいくら?
遺族年金の平均年金月額は、以下のとおりです。
- 遺族基礎年金:6万4176円
- 遺族厚生年金:8万573円
遺族基礎年金は6万円台、遺族厚生年金は8万円台となっています。遺族厚生年金は基礎年金を含む金額ですから、実際に支給されている遺族厚生年金額は平均2万円以下となります。
年間では約77万〜103万円となっており、たとえ終身給付であっても、年金だけでは生活が苦しい状況です。それだけに、妻が40歳から受け取れる年額61万2000円の中高齢寡婦加算は大きな加算給付といえるでしょう。
なお、遺族厚生年金は65歳以降に受け取る老齢基礎年金と併給が可能です。老齢基礎年金の平均年金月額は5万7584円となっており、遺族基礎年金よりは低い金額となっています。
4. まとめ
遺族年金は、元々は夫を亡くした妻の生活を支援する狙いの年金でした。しかし、共働きが進んだり家族の在り方が多様化したりといった理由で、次第に時代にそぐわない内容となってきていました。大幅な改正となるため、今一度どのように変わる予定なのか確かめておきたいところです。
また、改正により年金給付が無期から有期となることで「5年で打ち切られてしまう」と不安を感じる人もいるでしょう。労働収入を得るのを前提とした制度改正となることから、正式な改正決定には慎重な判断が求められます。
参考資料
- 厚生労働省「社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
- 厚生労働省「遺族年金制度等の見直しについて」
- 厚生労働省「遺族年金制度等の見直しについて②」
- 日本年金機構「さ行 生計維持」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
石上 ユウキ