2025年1月24日、2025年度の年金額が1.9%引き上げられることが公表されました。また、年金収入等が少ない方への支援として支給される「年金生活者支援給付金」も2.7%の増額となっています。
ただし、年金生活者支援給付金は、公的年金とその他の所得が一定基準以下の方のみが対象となります。
本記事では、「年金生活者支援給付金制度」の対象者や申請方法について詳しく解説します。
1. 年金生活者支援給付金の対象者はどんな人?
まずは、年金生活者支援給付金の対象者について見ていきます。
年金生活者支援給付金は3種類。年金生活者支援給付金の申請方法は次の写真でチェック!
1.1 年金生活者支援給付金は3種類
年金生活者支援給付金には以下の3種類があり、受け取る年金種類によってそれぞれ要件が異なります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金の対象者を種類ごとに解説します。
【老齢年金生活者支援給付金】
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
-
前年の公的年金等の収入金額(※障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません)とその他の所得との合計額が、昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下である。
【障害年金生活者支援給付金】
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※2)」以下
※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円となる。
障害年金生活者支援給付金の給付額は障害等級によって変わります。
【遺族年金生活者支援給付金】
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※2)」以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円となる
この「年金生活者支援給付金」は申請しないともらえない給付金です。
次章では、年金生活者支援給付金の申請方法を見ていきましょう。
2. 【申請しないともらえない!】年金生活者支援給付金の申請方法は?
年金生活者支援給付金は申請手続きが必要です。年金を新たに受給する方は、年金の請求手続きと同時に行うことができます。
送付される給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書と一緒に提出しましょう。
すでに年金を受け取っている方で、新たに給付金の対象となる場合には、毎年9月ごろに「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。
送付された請求書の太枠内を記入し、切手を貼ってポストに投函することで申請完了となります。
※繰上げ受給している場合は書類の様式が異なります。
なお、一度申請が完了すると、原則として毎年の手続きは不要です。年に一度の機会となるため、忘れずに対応しましょう。
3. 「年金生活者支援給付金」の給付基準額はいくら?2025年度は2.7%の引き上げ
厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の年金額は1.9%の引き上げ、年金生活者支援給付金の基準額も2.7%の引き上げとなります。
年金生活者支援給付金は2.7%の引き上げに4/6
出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成 ※は基準額であり、実際の金額は保険料納付済期間などに応じて算出される
年金生活者支援給付金は、公的年金と同じく2ヵ月に1度の支給で、公的年金に上乗せでの支給となります。
では増額改定された4月分の年金はいつ、支給されるのでしょうか。次章で年金支給日カレンダーを見ていきましょう。
4. 「年金生活者支援給付金」はいつもらえる?年金支給日カレンダーでチェック
年金は2ヵ月ごとに支給されますので、2025年4月分の年金は、2025年6月の支給日に振り込まれます。このタイミングで、増額された年金生活者支援給付金も反映されることになります。
年金は現役時代の働き方や加入期間によって受給額が大きく変わります。今後のキャリアプランを考える際には、将来の年金額も意識しながら計画を立てることが大切です。
5. 長期的な視点で老後の生活設計を考えてみよう
2025年度の年金額は1.9%引き上げられ、年金生活者支援給付金の基準額も2.7%の増額となります。
しかし、年金の増額率が実際には物価の上昇に追いついておらず、実質的には目減りとも捉えられています。年金の増額はあるものの、生活費の上昇によって実質的な負担が大きくなることを意識しておく必要があるでしょう。
年金制度がすぐに破綻することは考えにくいですが、少子高齢化の進行や経済状況の変化によって、将来的に受給額や制度自体が見直される可能性もあります。今後の老後資金の準備を考える際には、年金の仕組みを正しく理解し、自助努力による資産形成を意識することが大切です。
公的年金に頼るだけでなく、貯蓄や資産運用などを組み合わせてバランスよく資産を形成し、長期的な視点で老後の生活設計を考えてみてはいかがでしょうか。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
6. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
6.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
6.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
6.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。





