4. 今後は厚生年金期間中心の女性が増える
厚生労働省は、若年世代ほど厚生年金の加入期間が長い者が増加し、国民年金の1号期間や3号期間中心の者が減少するとの見通しを立てています。特に女性は厚生年金に加入しながら働く者の増加による将来の年金額の伸びが大きいとしています。
2024年に65歳になる人と、現在30歳で2059年に65歳になる人の経歴類型の変化がわかる円グラフをみてみます。今度の経済成長によっても結果は異なってくるので、次の2つのケースを想定しています。
- 成長型経済移行・継続ケース(実質経済成長率プラス1.1 %)
- 過去30年投影ケース(実質経済成長率マイナス0.1%)
現役時代の経歴類型の変化(女性)
2024年度に65歳になる女性の場合は、厚生年金期間中心の割合は37.7%であるのに対し、2059年度に65歳になる現在30歳の女性の場合は、どちらの経済の前提でも厚生年金期間中心の割合が70%を超えています。一方で、国民年金期間中心の割合は65歳の女性と比べて30歳の女性では大きく減っています。このことから、若い世代の女性は厚生年金に加入しながら長く働くことが当たり前になっているといえるでしょう。
平均年金額をみてみると、厚生年金期間中心の場合、成長型経済移行・継続ケースでは18万4000円と大きく増えていますが、過去30年投影ケースでは12万4000円となり、現在よりも減っています。
男性の経歴類型の変化と平均年金額の変化もみてみましょう。
男性の場合は、厚生年金期間中心の割合が元から多いため、女性ほど顕著な変化はありませんが、厚生年金期間中心の割合が増え、国民年金の1号期間中心が減る傾向はみられます。
厚生年金期間中心の平均年金額は、成長型経済移行・継続ケースでは増えますが、過去30年投影ケースでは減っています。