3. なぜ、富裕層は増えているのか

2005年時点で86万5000世帯だった富裕層・超富裕層は、2009年、2011年で減少したものの2013年以降は増加し続けています。そして前述のとおり、2023年は前回推計/調査の2021年から11.3%と大きく増加しています。

同資料では、富裕層・超富裕層の世帯数や資産総額が増えている理由として、株式や投資信託などの資産価値の上昇をあげています。

2023年の日経平均株価は、1年間で7369円も上昇。1989年に記録した8756円に次ぐ上げ幅となりました。また円安も急加速。

富裕層・超富裕層はリスク資産の保有割合が高い傾向にあることから、これらの影響により資産価値が大きく増加したと考えられます。

また、相続により一気に資産が増え、富裕層・超富裕層になった世帯もあるでしょう。

3.1 いつの間にか「富裕層」となる世帯も…

近年は、NISAやiDeCoといった制度が浸透してきていることもあり、資産運用に対するイメージにも変化が生じているかもしれません。

勤め先でDCや持ち株会などを活用して、給与天引きで少しずつ投資をしているという人もいるでしょう。

こうした資産が前述の株価上昇や円安進行により大きく膨らみ、いつの間にか富裕層になっているという世帯も。

また、夫婦ともにキャリアを積み上げ、高年収を達成する世帯も、いつの間にか富裕層になる可能性があると考えられます。