総務省が2025年1月24日に公表した消費者物価指数によると、2024年12月の総合指数は前年同月比3.6%の上昇でした。
筆者はFP資格を保有するファイナンシャルアドバイザーとして、家計や資産運用など、お金に関するさまざまなご相談を受けています。
物価の上昇により、家計に負担が生じているご家庭が増えている傾向にあるため、「日々の生活が苦しい」というお話を伺うこともあります。
しかし、その一方で富裕層世帯も増加しています。なぜ、物価高が続くこのご時世でも富裕層が増え続けているのでしょうか。
そこで今回は、元証券会社で富裕層担当社員であった筆者が、富裕層から聞いた「資産運用の心得」についてまとめていきます。
また、2025年2月13日に公表された株式会社野村総合研究所による調査結果をもとに、日本で「富裕層が増えた」状況についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にご覧ください。
1. 元証券会社の富裕層担当社員が富裕層から聞いた「資産運用の3つの心得」とは?
ここからは、元証券会社の富裕層担当社員であった筆者が、富裕層から聞いた資産運用の心得についてまとめていきます。
1.1 富裕層から聞いた「資産運用の心得1」
富裕層から聞いた資産運用の心得1は、「まずは資産運用を始める」ことです。
なかには、「資産運用を始めてみたいけれど、リスクが不安」という方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
資産運用におけるリスクとは、価格の振れ幅のことです。
たとえば、ハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンなど、リスクとリターンは比例する傾向にあります。
そのため、家計全体の資産のバランスや、ご自身のリスク許容度に応じて資産運用の方法を選ぶことが大切です。
詳しくは後述しますが、2025年2月13日に株式会社野村総合研究所が公表した調査結果によると、過去10年近くにわたって「富裕層や超富裕層」の世帯数や純金融資産総額が増加していることがわかりました。
株式や投資信託などにおける資産価値の上昇が、富裕層が増加した要因の1つとして考えられています。