1.4 2025年度の年金が「実質目減り」の理由
2025年度の年金は、増額が発表されましたが、これは物価変動率や賃金変動率から計算された増加率から、マクロ経済スライドによる調整を加味して差し引いた結果となっています。
具体的には、2025年度の改定では、物価・賃金上昇率による算定結果として「2.3%」の改定率となっています。しかし、マクロ経済スライドの調整率が0.4%となり、2.3%から0.4%を差し引いた1.9%が実際の年金改定率となっています。
つまり、2025年度の年金額改定時に用いた「名目手取り賃金変動率」が2.3%であるのに対して、年金の改定率は1.9%しか上がらず、賃金上昇率に追いついていないのです。
年金額の額面は上昇していても、世の中の賃金上昇率や物価上昇率よりも低い割合であるため、お金の価値で見た年金受給額は「実質目減り(価値がさがっている)」ということになります。