2. 【シニアの年金事情】公的年金「厚生年金・国民年金」の平均月額はいくら？
では最後に、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、国民年金と厚生年金の平均受給額を確認していきます。
2.1 【全体・男女別】「国民年金」の平均年金月額をチェック
- 〈全体〉平均年金月額：5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額：5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額：5万5777円
2.2 【全体・男女別】「厚生年金」の平均年金月額をチェック
- 〈全体〉平均年金月額：14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額：16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額：10万7200円
※国民年金を含む
（参考）日本の公的年金制度のおさらいしておこう
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つの仕組みで構成されています。
国民年金は、日本国内に住む20歳から60歳までの全員が対象となる制度で、厚生年金は主に会社員や公務員が加入する年金制度です。
したがって、会社員や公務員は国民年金と厚生年金の両方に加入していることになります。
国民年金の加入者は、職業などによって3つのカテゴリーに分かれます。
第1号被保険者は自営業者や学生などが該当し、第2号被保険者は厚生年金に加入する会社員や公務員を指します。
そして、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者です。
国民年金の保険料は一律ですが、第1号被保険者は自身で納める必要があります。
一方、第2号被保険者は給与に応じた保険料を会社と折半して支払う仕組みになっており、厚生年金の方が給付水準は高くなります。
ただし、最終的に受け取る年金額は給与や賞与の額によって異なるため、個人差が生じます。
なお、第3号被保険者は扶養されているため、保険料の負担はありません。
現在支払っている年金保険料は、将来の受給額に大きく影響し、自分の働き方を見直すきっかけにもなるため、普段から年金制度について意識しておくことが重要です。
また、自身の年金加入状況や将来の年金見込み額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できるので、定期的にチェックすることをおすすめします。
3. まとめにかえて
今回は年金から天引きされるお金について4つ紹介していきました。
老後に向けた資産形成は、額面ではなく手取りをもとに進めていく必要があります。
ただし、将来の税率や社会保険料はわかりません。高齢者の社会保険料負担が増加傾向にあることを考えると、天引きされる金額は多めに見積もっておきたいです。
手取りの年金額を少なめに想定し、老後資金を厚めに準備しておけると良いでしょう。
物価高のいま、日々の家計のやりくりで老後対策にまで手が回らないという人は少なくないと考えられます。しかし、老後に向けた資産形成は必須といっていいでしょう。いまいちど家計を見直し、少額からコツコツと資産を積み上げていきたいものです。
