3. 【4月から増える!】2025年度の年金額例を確認

前章では、国民年金および厚生年金の平均受給額について紹介しました。

続いて、厚生労働省が2025年1月24日に公表した「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」を見ながら、2025年度の年金額例を確認しましょう。

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分)
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)

年金額は3年連続でプラス改定されています。しかし、物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額が目減りしています。物価上昇に年金額が追い付いていないのが現状です。

ここで示されている厚生年金を見てみましょう。以下のような「標準的なモデル夫婦2人分」の金額が提示されています(国民年金額も含む)。

  • 夫(または妻)が厚生年金に加入:平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で会社員として40年間就業
  • 妻(または夫)が国民年金に加入:40年間専業主婦もしくは自営業

このようなモデル夫婦の場合、月額で約23万円の年金を受け取れる計算になります。

なお、このモデルは「一方が厚生年金に加入し、もう一方が国民年金のみ加入しているケース」を想定しており、夫婦ともに厚生年金に加入している場合は、さらに受給額が高くなる可能性があります。

個人では年間240万円(月額20万円)を受給するのは難しい場合がありますが、夫婦で年金を合算すれば、この金額に達するハードルは大幅に下がるということです。

このように年金は、転職や年収の変動によって大きな個人差があります。ご自身の年金見込額を正確に把握することが大切です。