2. 年金が増額する際に気をつけること
年金額が増額することは、手取り金額が増えるため基本的には喜ばしいことです。しかし、注意すべき点もいくつか存在します。
増額により影響が出る可能性がある事項を、4つご紹介します。
2.1 住民税非課税枠
1つ目は、住民税非課税世帯である場合、非課税対象から外れる可能性があることです。
住民税が非課税となるためには、世帯人数に応じて年収要件を満たすことが必要な場合があります。現在の年収が非課税枠基準額のボーダーラインであった場合、増額により非課税枠から外れる可能性があります。
住民税の非課税枠から外れると、住民税の支払いが発生するだけでなく、住民税非課税世帯に対して与えられていた、支援金の受給などの優遇措置を受けることができなくなるので注意が必要です。
2.2 社会保険の被扶養者でなくなる可能性がある
2つ目は、家族が加入している社会保険の被扶養者となっている場合、その扶養から外れる可能性があることです。
社会保険の被扶養者となるためには、60歳以上であれば原則として年収が180万円以下である必要があります。
年金額が多くなったことでこの金額を超えると、社会保険の扶養から外れなければなりません。
扶養から抜けると、自分自身で健康保険料を支払うことになるため、世帯全体での保険料の負担が増え、手取り収入が逆に減少してしまう可能性もあります。