3. 注意点を踏まえて意識すべきこと
年金は、原則として受給を開始した後に減額されることはありません。もし、年金収入の増加が生活に影響を与える場合でも、年金収入を調整することはできないのです。
そのため、年金額の増加により今回ご説明したような影響が出ると思われる場合には、年金以外の収入がある方は、そちらで調整を検討する必要があります。
例えば、就労による収入を減らしたりすることで、全体の収入をコントロールするなどです。
年金以外に収入がない場合には、影響が出ることを事前に把握して、思わぬ出費とならないよう心構えをしておきましょう。
4. まとめにかえて
2025年度の年金額は、2024年度から1.9%増額されることが発表されました。年金額の改定は、物価上昇に対応するための重要な措置です。
しかし、年金が増額する際には、住民税の非課税枠や扶養、所得税、在職老齢年金など、注意すべき点も存在します。
これらの影響を正しく理解し、年金と他の収入をバランス良く管理することが重要です。年金制度は複雑であり、各家庭の状況によって受ける影響も異なります。
そのため、ご自身の状況に合わせて、収支の計画をシミュレーションする必要があります。難しいようであれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の知識を借りることも検討しましょう。
増額される年金額で損をしないよう、自分自身の年金受給プランを考えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 全国健康保険協会「被扶養者とは?」
- 日本年金機構「在職老齢年金の支給停止の仕組み」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
斎藤 彩菜