日本証券業協会は、2月12日に新NISAが始まった2024年の年間利用動向調査を発表しました。
 
この調査結果によると、1人あたりの平均投資金額は「つみたて投資枠」で47万3000円、「成長投資枠」は103万3000円でした。
 
この結果を見て、「意外とみんな投資してるな」と感じた方も多いのではないでしょうか。

主にネット証券を中心にですが、ワンコインからNISAで投資を始められることもあり、投資経験はないけど試しに投資を始めてみたという方は少なくありません。
 
しかし、NISAで資産を大きく増やすには、やはりワンコインではなく、ある程度の金額を投資することも必要です。
 
では、NISAで毎月5万円を15年間投資した場合、資産はどれくらい増えるのでしょう?
 
今回はNISAで資産運用した場合のシミュレーションやNISAで資産運用をする際のコツについて解説していきます。

1. 新NISAの制度をおさらい

2014年に誕生したNISA(ニーサ)制度。2024年には制度が恒久化され、長期の資産形成により適した仕組みに生まれ変わりました。

NISAの魅力は「運用で得た利益が非課税になること」でしょう。

【写真全5枚中1枚目】新NISA「非課税」のしくみ、2枚目以降で、新NISAの特徴や、積立投資シミュレーション結果を見る!1/5

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

通常、投資で発生した利益には約20%の税金がかかります。

50万円の投資で10万円の利益がでたら、10万円に対して約20%の約2万円が税金として引かれるため、手取りの利益は8万円となります。しかし、NISA枠で運用したら、10万円の利益をまるまる受け取ることができるのです。

1.1 新NISA「つみたて投資枠」と「成長投資枠」

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」2/5

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

【新NISAの特徴】

  • 非課税保有期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用可
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

新NISAの特徴は上記のとおり。

積立投資を想定した「つみたて投資枠」と、元本の成長を期待した投資を想定した「成長投資枠」の2種類の枠があります。つみたて投資枠と成長投資枠では投資可能商品と年間投資枠に違いがあります。

冒頭でも触れましたが、金融機関によってはワンコインで投資をスタートできるケースも。100円~OKという金融機関もあります。

初心者の人は、できるだけ少額でできる金融機関を選択するのも良いですね。

では、毎月積立投資を行った場合、資産をどのくらい築けるのか、シミュレーションしてみましょう。

2. 【新NISAシミュレーション1】50歳から65歳「毎月5万円」×「年1~5%」

シミュレーションを行う前に、大切な前置きをしておきましょう。

新NISAという制度を活用して行う積立投資は、文字通り「投資」です。

預金のように予め利率が確約されたものではないこと、元本割れの可能性があることを理解しておきましょう。

シミュレーションでは、運用期間中”ずっと”〇%で運用できた場合を想定して試算されますので、実際はこれから確認するシミュレーション結果を上回ることも下回ることもあります。

では、以下の条件でシミュレーションをしてみましょう。

2.1 【条件】

  • 積立期間:50歳から65歳までの15年間
  • 積立額:毎月5万円
  • 投資信託商品:「安定的な運用」を重視した想定利回り1~5%の商品

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/5

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.2 【シミュレーション結果】

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

次に、50歳から65歳までの15年間で2000万円つくるためには、月いくら積み立てればいいかをシミュレーションしていきます。

3. 【新NISAシミュレーション2】50歳から65歳「2000万円」積立額は月いくら?

50歳から65歳までの15年間、年3%の運用成果を期待できる投資信託に投資する場合、月いくら積み立てれば2000万円をつくることができるのでしょうか。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果4/5

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 【積立金額別】15年間×3%の積立投資をシミュレーション

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

15年間で2000万円もの資産をつくるには、月9万円程度の積立が必要です。

毎月の投資額を抑えて2000万円をつくるには、より高い利益が期待できるものに投資するか、投資期間を長くすることになります。

より高い利益が期待できるものは、より大きい損失の可能性があると言い換えることができるため、リスクを抑えて資産をつくりたい人にはおすすめできません。

積立投資での資産形成は、早いスタートが重要といえるでしょう。

4. まとめにかえて

今回は新NISAについて詳しく解説してきました。

記事内でもお伝えしたように、NISAで月5万円を15年間積立投資した場合、想定利回り5%であれば1300万円を超える資産をつくることができるシミュレーション結果がでています。

これはあくまでシミュレーションですが積立金額の900万円から運用で400万円ほど資産が増えるのは非常に魅力的ですよね。

ただし、投資にはリスクがつきものです。今回のシミュレーション結果だけをうけて、安易に投資を始めてしまうのはあまりオススメできません。

投資に元本保証はなし。運用によっては資産が大幅に減ることもある。この2つだけはしっかりと認識したうえで投資を始めることが大事です。

また、投資初心者の場合、これまで運用成績が良かったからという理由だけで投資する銘柄を決める傾向があります。

人気商品に投資したからといって必ず資産が増えるものではありません。自身の目的やリスク許容度に合った商品選びが資産運用を成功させる秘訣です。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ5/5

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。

5.1 年金の仕組みってどうなってるの?

まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。

毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。

そのため、個人差が出やすくなっています。

5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?

通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。

たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。

もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?

繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。

資産運用に挑戦

iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。

ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。

これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?

ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。

参考資料