2024年12月、政府は高額療養費制度の自己負担上限額を引き上げる方針ということを発表していました。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う自己負担の医療費が一定金額を超えた場合に、その超えた金額が支給される公的医療保険の制度です。
(※自己負担限度額は年齢や所得に応じて異なります)
しかし、この高額療養費の自己負担限度額の引き上げに関して批判の声が多くあがっていることから、福岡厚生労働大臣は患者の声を受け止めて負担上限額の引き上げを検証していくことを表明しました。
筆者が前職の金融機関で営業で接していたお客様にも、病気で医療費の負担が重いという悩みを抱えている方は意外と多かったので、今回のように高額療養費の負担上限額が上がると生活はさらに困窮することは避けられないでしょう。
特に、少ない年金で生活を送る高齢者にとってこの問題は到底見過ごせるものではないようで、「医療費の負担が増えたらどうしよう」と不安を抱える方は多いようです。
では、実際いまのシニアは、どのくらい年金をもらっているのでしょう?今回はシニアの年金事情について深堀していきます。
1. 年に約6万円が支給!「年金生活者支援給付金」をもらえる人は?
まずは、年金生活者支援給付金の対象者を確認しましょう。
年金生活者支援給付金の対象者は、「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の受給者です。
今回は「老齢年金生活者支援給付金」を受け取っている方について、対象者を確認していきましょう。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件をチェック
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
-
前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
老齢年金の年金生活者支援給付金は、上記条件をすべて満たす方が対象となります。
次に、老齢年金生活者支援給付金の金額と、平均的な支給額についても確認していきましょう。