3.2 厚生年金(老齢厚生年金)の平均受給額をチェック
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
国民年金は1階部分、厚生年金は2階部分として、国民年金に上乗せして会社員や公務員などが加入します。
そのため、厚生年金の受給額は一般的に国民年金より高く、平均月額は14万円台となります。
ただし、厚生年金は加入期間や年収によって額が決まるため、厚生年金でも月額5万円台の方も存在します。
その場合、年金以外の収入がなく、65歳以上であれば、老齢年金生活者支援給付金の対象となることが考えられます。
4. まとめにかえて
今回は、令和シニアの年金事情について見てきました。国民年金と厚生年金の両方を受け取っている場合の平均年金受給額は男性で約16万円、女性では約10万円でした。
男性の平均受給額である約16万円の年金額であれば、何とか生活できるかもと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ここから税金や社会保険料が天引きされて、さらに医療費の負担額も増えるかもとなると生活は非常に厳しそうですよね。
また、今回は年金収入が一定額以下の方に支給される「年金生活者支援給付金」についても説明してきました。
こちらは本来受け取れる年金に上乗せして給付されるものですが、金額としてはひと月あたり約5000円の給付額です。
厳しい言い方かもしれませんが、ひと月に5000円ほど収入が増えても生活が劇的に楽になるかというと、そうとは言えないでしょう。
国から年金生活を支援するための給付金があるとはいえ、今後医療費の負担額が増えたりすれば、年金生活はさらに厳しいものとなることは目に見えています。
そのため、現役世代の私たちは今のうちから年金以外に頼れる老後資金をしっかり準備しておく必要があります。
今は、iDeCoやNISAなど非課税のメリットを受けながら老後資産を形成するための資産運用制度も整っています。
まずは、老後に向けて資産運用を始めるための情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな人ですか。」
鶴田 綾