「国家公務員は退職金が多く、安定した職業」と思われがちですが、実際には退職金の金額には大きな差があり、誰もが高額を受け取れるわけではありません。

また、近年は企業や団体で退職金制度の見直しや廃止が進む傾向にあり、将来的に国家公務員の退職金制度にも変化が生じる可能性があります。

そのため、「公務員なら多くの退職金を受け取れる」と考えるのは早計かもしれません。

本記事では、国家公務員の退職金を「退職理由別」「勤続年数別」に詳しく解説し、さらに職種ごとの平均給与も紹介します。

国家公務員の退職金や収入の実態を知り、将来に向けた適切な資産形成を考えるきっかけにしましょう。

1. 国家公務員の定年退職金は平均約2147万円

国家公務員の退職金は、退職理由によって金額が大きく異なります。退職理由別の平均支給額は以下のとおりです。

【退職理由別】退職手当受給者数と退職手当平均支給額

【退職理由別】退職手当受給者数と退職手当平均支給額

出所:内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」

1.1 常勤職員の退職金(退職理由別)

  • 定年:2147万3000円
  • 応募認定:2492万7000円
  • 自己都合:303万9000円

1.2 うち行政職俸給表(一)適用者の退職金(退職理由別)

  • 定年:2122万1000円
  • 応募認定:2249万円
  • 自己都合:316万6000円

退職理由が定年および応募認定の場合、それぞれ退職金は2000万円を超えています。

ただし、この金額はあくまでも平均額であり、勤続年数や職種などによって大きく異なることを理解しておきましょう。

続いて、勤続年数別の平均支給額を見ていきます。