2025年1月24日、2025年度の公的年金(国民年金・厚生年金)の年金額が発表されました。今年度から1.9%の引上げとなりますが、物価上昇率を下回る改定率であり、生活水準が劇的に良くなるといった人は少ないでしょう。

では、現代の年金生活者はどのような生活を送っているのでしょうか。

本記事では、65歳以上のシニア世帯のお金事情について詳しく解説します。

1. 2025年も「値上げ」の1年に。2024年を上回る可能性もある?

帝国データバンクの調査によると、主要な食品メーカー195社を対象にした価格改定動向では、2024年の値上げ品目数が累計1万2520品目に達した一方、2025年には年間1万5000~2万品目の値上げが予測されています。

【写真1枚目/全6枚】値上げ品目の推移。次の写真でわかる「年金だけで100%生活している高齢者世帯は41.7%」という現実

値上げ品目の推移

出所:帝国データバンク「定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年通年/2025年見通し」

昨年は2023年に比べて価格上昇が落ち着きましたが、今年は再び「値上げ」の問題に直面することが予想されます。

現役世代にとって、日々の生活費がかさむ中で「老後のために貯金を」と言われても、実際に行動に移すのは難しい場合が多いでしょう。

大切なのは、今の状況をきちんと把握し、無理なく、かつ必要な分をしっかりと備えることです。

次章では、現在のシニア世代の生活状況について掘り下げていきます。