2025年1月24日に厚生労働省が公表した「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の年金額は今年度に比べて1.9%の引上げとなっています。
資料によると、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は23万2784円です。(モデルケース)
夫婦2人でひと月20万円以上の年金を受け取れれば何とか生活できると考える方も多いかもしれません。しかし、独身の場合はどうでしょう?
筆者が前職の金融機関で営業職に従事していた時、独身で老後生活を送っている方で月額20万円以上の年金を受け取れるという方は多数派ではなかったと記憶しています。
一人暮らしであれば月20万円も無くても生活できると考える方もいるかもしれませんが、独身の場合、住まいが賃貸という方も多く生活コストは高いという方も少なくありません。
では、ひと月に20万円以上の年金額を受け取れる方はどのくらいいるのでしょう。今回は、月額20万円以上の年金額を受け取る方について解説していきます。
1. 公的年金制度のしくみを簡単におさらい!
最初に、日本の公的年金制度について基本的な部分を簡単におさらいしておきましょう。
厚生年金は国民年金に上乗せする形で加入します。
こうした仕組みから、日本の公的年金は国民年金と厚生年金の「2階建て構造」といわれています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに見直しあり※2024年度は月1万6980円、2025年度は月1万7510円)
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 主に公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せ加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
上記のとおり、加入する年金は、働き方により異なります。
国民年金は一律の保険料の納付状況により年金額が決定するため、国民年金だけで月額20万円を受け取ることはできません。厚生年金は国民年金に上乗せ支給となるため、月額20万円を受け取れる人もいます。
次章で、厚生年金受給者の中で「月額20万円以上」を受給する人がどのくらいいるのか確認していきましょう。