1.1 国民年金とは?

基礎年金とも呼ばれる「国民年金」ですが、こちらには日本に住む20歳から60歳未満のすべての人が、原則として加入します。

保険料は全員一律で、自営業や無職などの第1号被保険者が納付します。公務員や会社員などの第2号被保険者は、後述する厚生年金保険料を支払います。

なお、第2号被保険者に扶養される第3号被保険者は、保険料の納付義務がありません。

国民年金保険料の納付期間や免除期間によって、将来の年金額(老齢基礎年金額)が決まるというしくみのため、学生時代に免除を受けた人や未納期間がある人などは、年金額が少なくなります。

とはいえ、満額でも月額6万円台となっているため、大きな個人差は生まれにくいでしょう。

1.2 厚生年金保険とは?

厚生年金保険とは、国民年金加入者のうち、会社員や公務員など(パート・アルバイト従業員など特定適用事業所で働き一定要件を満たした方も含む)が加入する2階部分の年金です。

保険料は収入に応じて算出され、これを事業主を折半して納めます。年収が高いほど保険料が高くなり(上限)、その分将来の厚生年金額も多くなるでしょう。

この度、厚生労働省から2025年度の年金額が公表されました。実は1.9%の増額となる予定です。

2. 【2025年度】厚生年金と国民年金の金額例が公表

2025年1月24日、厚生労働省より2025年度の年金額が公表されました。

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※)

※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。

※2男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

注釈があるとおり、厚生年金は限定的な夫婦の試算結果です。この通りでない人も多いため、あまり参考にならないという声もあります。

そこで、厚生労働省の資料をもとに、多様なライフコースに応じた年金額も見ていきます。