シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内小売り大手である丸井グループです。
丸井グループの平均年間給与はいくらか
丸井グループ(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 653.4万円と600万円を超えています。また、従業員の平均年齢は40.5歳となっており若干ですが40歳を上回っています。平均勤続年数は17.2年となっています。
丸井グループの従業員数は何人か
有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で277名。単体で200人以上の従業員数がいます。277名は純粋持株会社の従業員となっています。
また、連結の従業員数は5548名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- 小売:3906名
- フィンテック:1365名
- 純粋持株会社:277名
過去の業績動向
丸井グループ(連結)の業績推移についても見ておきましょう。丸井グループでは第80期より、消化仕入取引に関する売上高を総額表示から利益相当額のみを売上に計上する純額表示へ変更しています。それにともない「売上高」の表示を「売上収益」へ変更しております。
まず、売上収益ですが、過去4年をみると減収傾向となっています。2015年3月期に2498億円であった水準が、2018年3月期には売上高は2389億円となっています。
また、経常利益については増益傾向となっています。2015年3月期には276億円の水準であったものが、2018年3月期には351億円にまで増加しています。
投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は連結経常利益と同様に増加傾向です。2015年3月期には160億円あったものが、2018年3月期には209億円となっています。
今後の注目点
丸井グループでは、2021年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画を発表しています。最終年度のROE10%以上、ROIC4%以上、EPS130円以上を達成することを目標としています。
中期経営計画の骨子は以下の3つです。
- グループの統合的な運営による企業価値の向上
- グループ事業の革新による新たな事業の創出
- 最適資本構成の構築と生産性のさらなる向上
事業セグメントに「小売」に続いて「フィンテック」を持ってくるなど、小売に続いてフィンテックを持ってくるなど小売りとテクノロジー、金融を組み合わせるなど、新しい領域に挑戦する姿勢が見てとれます。今後の動向に注目です。
まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
【ご参考】有価証券報告書とは
日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。
LIMO編集部