年金の源泉徴収票である「公的年金等の源泉徴収票」はもう届きましたか?これを見れば、年金をいくらもらっているのか、所得税や社会保険料をいくら支払っているのかがわかります。

また、確定申告をするときにも必要となる書類なので、ここでしっかり確認しておきましょう。

本記事では、「公的年金等の源泉徴収票」の見方とチェックポイントを解説します。 

1. 公的年金等の源泉徴収票とは

毎年1月の第2週あたりに、日本年金機構から年金受給者に「公的年金等の源泉徴収票」が届きます。

これは、前年の1月~12月に支払われた年金の総額や源泉徴収した所得税額などをお知らせする書類です。この書類は確定申告をするときに必要となるので大切に保管しておきましょう。

1.1 年金受給者は確定申告が必要?

原則、年金受給者であっても確定申告は必要です。ただし、公的年金等の収入が400万円以下で一定の要件を満たす場合には、確定申告を不要とすることができます。

【写真全4枚】老齢年金「確定申告」要・不要フローチャート. 2枚目では、公的年金等の源泉徴収票(見本)を確認1/4

老齢年金「確定申告」要・不要フローチャート

出所:政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」

また、確定申告が不要であっても、確定申告をすることで税金の還付が受けられるケースがあります。これについては後ほど説明します。

2. 公的年金等の源泉徴収票の見方

確定申告が必要かどうかは、「公的年金等の源泉徴収票」を見ることでわかります。ここでは、チェックすべき項目を5つに絞って、その見方を解説します。

2.1 【チェックポイント1】 支払金額

令和6年中に支払われた年金の合計額が記載されています。所得税や社会保険料が差し引かれる前の金額です。この金額が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得(※)が20万円以下であれば、確定申告は不要となります。

※給与所得や個人年金、生命保険の満期返戻金などが当てはまります。

2.2 【チェックポイント2】 源泉徴収税額

年金から源泉徴収された所得税額および復興特別所得税の合計額が記載されています。この額が0円の場合は、確定申告をしても戻ってくる税金はありません。

年金から所得税が源泉徴収される人は、次に示した金額以上の年金を受け取っている人です。

  • 65歳未満・・・108万円以上
  • 65歳以上・・・158万円以上

確定申告が不要であっても、所得税が源泉徴収されている人は、その額を上限として、確定申告をすることにより税金が戻ってくる可能性があります。

2.3 【チェックポイント3】 本人・配偶者の状況、扶養親族の数と状況

本人の状況(障害者、ひとり親など)や対象となる配偶者の有無、扶養親族の数などが記載されています。ここに記載があると、左下の欄にその配偶者や扶養親族の名前が記載されます。

該当する場合は、配偶者控除や扶養控除、障害者控除などが受けられるので、記載に漏れがないかチェックしましょう。

2.4 【チェックポイント4】 社会保険料の額

年金から特別徴収された社会保険料(介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料など)の合計額が記載されています。内訳は次の摘要欄に記載されています。なお、住民税は含まれません。

2.5 【チェックポイント5】 摘要

この欄には、チェックポイント4の社会保険料の内訳と定額減税の記載があります。定額減税は、実際に控除した控除額「源泉徴収時所得税減税控除済額」と控除しきれなかった額「控除外額(控除していない額)」が記載されます。

3. 確定申告をすることで税金の還付が受けられるケース

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確定申告書

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先述したように、公的年金等の収入が400万円以下で一定の要件を満たす場合には、確定申告を不要とすることができます。しかし、次の項目に当てはまる場合には、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。

  • 医療費控除を受ける場合
  • 社会保険料控除、生命保険料控除などを受ける場合
  • ふるさと納税など寄附金控除を受ける場合
  • 災害などの損失について雑損控除を受ける場合
  • 扶養親族等申告書を提出していない場合
  • 扶養親族等申告書を提出した後に扶養親族等が増加した場合

3.1 医療費控除を受ける場合

医療費控除は、自身や家族のために支払った年間の医療費が10万円(総所得が200万円未満の人は、総所得の5%)を超える場合に、その超えた部分について所得控除が受けられる制度です。

年金受給者は総所得が200万円未満に該当するケースは多いので、10万円を超えなくても医療費控除が受けられる可能性があります。

3.2 社会保険料控除、生命保険料控除などを受ける場合

源泉徴収票に記載されていない社会保険料(生計を一にする親族の国民年金保険料など)を納税者が支払った場合に社会保険料控除を追加で受けられます。

生命保険料控除は、生命保険や個人年金保険などの保険料を支払った場合に、支払った金額に応じた控除額が所得金額から控除されます。確定申告時には、保険会社が発行する控除証明書を提出する必要があります。

3.3 ふるさと納税など寄附金控除を受ける場合

ふるさと納税は、自治体への寄附金として支払った金額のうち、自己負担額2000円を超える部分が控除される制度です。

控除を受けるには、確定申告を行う必要がありますが、寄付先が5自治体以内であれば、確定申告なしで控除を受けられるワンストップ特例制度があります。

ただし、他の控除を受けるために確定申告をする必要がある場合は、ワンストップ特例制度は利用できません。

3.4 災害などの損失について雑損控除を受ける場合

雑損控除は、自然災害や火災、盗難などで資産に損害を受けた場合に適用される控除です。控除を受けるには、被害状況を証明する書類や保険金の支払い通知書などを用意して、確定申告を行う必要があります。

3.5 扶養親族等申告書を提出していない場合

扶養親族等申告書は、所得税や住民税の計算に必要な扶養親族に関する情報を記載する重要な書類です。公的年金について源泉徴収の対象となる人に、毎年9月頃に届きます。

この書類を期限内に提出することで、扶養控除や配偶者控除などが受けられます。提出を忘れてしまった場合は確定申告によって手続きすることで控除が適用されます。

3.6 扶養親族等申告書を提出した後に扶養親族等が増加した場合

扶養親族等申告書を提出した後に、扶養家族が増えるなど、申告書の内容に変更があった場合は、確定申告で修正を行うことができます。これによって適切な控除が受けられます。

4. まとめ

「公的年金等の源泉徴収票」は、前年1年間の年金受給額や源泉徴収された所得税額、社会保険料額などが記載された重要な書類であり、確定申告をする際に必要となります。

確定申告不要制度によって、確定申告が必要ない人でも、医療費控除や生命保険料控除、寄附金控除を受けるために確定申告をすれば、税金の還付を受けられる可能性があるので、源泉徴収票は大切に保管しておきましょう。

参考資料

石倉 博子