3. 年金は増額も…実質は減額?

3年連続となった年金額ですが、単純に喜ぶことはできません。

「マクロ経済スライド」が3年連続で発動しており、物価上昇率よりも年金上昇率が下回っているためです。これにより、年金は実質的に減額されるのです。

総務省によると、前年の全国消費者物価指数を踏まえた物価上昇率は2.7%、賃金上昇率は2.3%でした。

物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合、支え手である現役世代の方々の負担能力に応じた給付とする観点から、名目手取り賃金変動率を用いて年金は改定されます。

ということは、今年の改定率は2.3%を適用するはずです。しかし「マクロ経済スライド」が発動したことにより、▲0.4%の調整後、最終的な上昇率は1.9%にとどまりました。

物価上昇が続く中、限られた年金で生活するシニアにとって、今回の年金額の改定は影響が少なくないでしょう。

4. 年金の増額はいつから?

とはいえ、年金の額面が増えるのは楽しみという方も多いでしょう。実際に支給額に反映されるのはいつからになるのでしょうか。

そもそも、年金は原則として偶数月の15日に支給されます。次回は土日の関係で、2月14日が支給日です。

2月に支給されるのは12月と1月分の年金。そして4月に支給されるのは2月分と3月分の年金になります。

つまり、「2025年=2025年4月~」の年金が実際に支給されるのは、2025年6月の年金支給日からです。

【一覧表】2025年公的年金支給日カレンダー

【一覧表】2025年公的年金支給日カレンダー

出所:LIMO編集部作成