2025年1月17日に日本銀行が公表した「「生活意識に関するアンケート調査」の結果」によると、直近1年の暮らし向きを「ゆとりがなくなってきた」と回答した方が全体の約6割を占めていることがわかりました。
お米や野菜、日用品などの値上がりで家計が圧迫されている世帯は少なくないでしょう。現役世代においては賃上げの動きも見られますが、公的年金については大幅な引き上げは期待できません。
老後に向けて、なるべく多くの安心材料を確保しておきたいものですね。
本記事では、65歳以上の無職世帯の夫婦に絞って、貯蓄額や生活費、年金額などリアルな暮らしをチェックしていきたいと思います。現在のシニアの暮らしぶりから、老後対策を考えていきましょう。
1. 年金世帯「65歳以上・無職二人以上世帯」のリアルな貯蓄事情
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上で無職の二人以上世帯の平均貯蓄額は「2504万円」となっています。
1.1 2018年~2023年:平均貯蓄額の推移をチェック
総務省統計局の同調査によると、「65歳以上・無職二人以上世帯」の2018年~2023年までの平均貯蓄額の推移は、下記の結果となっています。
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2018年から2020年にかけて、無職の65歳以上の二人以上世帯の平均貯蓄額はおおよそ2200万円台で推移していましたが、2021年以降、その額は2300万円を超え、2023年には2500万円台に達しています。
少子高齢化の進展と年金制度への不安から、貯蓄を増やすべきという意識が高まるのは当然のことです。
しかし、実際には物価の高騰が生活費に影響を与え、多くの人々が貯蓄を増やす実感を得ることが難しくなっています。
それでは、シニアの貯蓄額の内訳はどうなっているのでしょうか。