3. 【60歳代の年金額】厚生年金はいくらもらってる?

3.1 【厚生年金】60歳~69歳の平均月額

60歳代の厚生年金額

60歳代の厚生年金額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 60歳:9万6492円
  • 61歳:10万317円
  • 62歳:6万3244円
  • 63歳:6万5313円
  • 64歳:8万1700円
  • 65歳:14万5876円
  • 66歳:14万8285円
  • 67歳:14万9205円
  • 68歳:14万7862円
  • 69歳:14万5960円

※厚生年金保険(第1号)の平均年金月額には、基礎年金月額を含みます。
※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者

厚生年金は65歳以降から満額受け取れるようになり、おおむね15万円弱が平均の年金月額となっています。夫婦で共働きの場合は、二人分の厚生年金が受け取れるため、生活費の大半は年金で賄えるかもしれません。

夫婦二人分のモデルケース(夫が会社員、妻が専業主婦世帯の標準的年金額・令和6年度)は23万483円ですから、生活費で足りない部分、また急な出費は貯蓄から取り崩すことになりそうです。

4. 年金だけでは生活費が足りない?万が一に備え、早めの資産づくりを

本記事では、60歳代の貯蓄額と年金について見てきました。

「老後2000万円」が話題となってから数年経ち、コロナ禍を経た現在、世界経済はインフレ傾向が顕著になっています。日本でも物価上昇が著しく、当時2000万円と言われていた老後資金も、いまや3000万円、5000万円とも言われています。

生命保険文化センターの調査によると、老後の日常生活費は公的年金で「まかなえるとは思わない」と答えた人が73.9%にものぼっています。年金は生活の柱となる大切なお金ですが、その額に不安を抱えている人が多いことがわかります。

日常生活で最低限必要な年金額としては、20~25万円未満と回答する方が一番多く、27.5%となっています。

夫婦が受け取る年金額のモデルケースは23万483円ですから、日常生活を送る分には支障がない範囲内かもしれませんが、老後になると、さまざまな支出が増えることも想定されます。

とくに住まいや、病気・介護に関する支出などは、若い頃はなかなか想像しにくいものですが、数百万円単位でお金が必要な場合もあります。

できれば、私的年金に加入して年金額を増やしたり、貯蓄額を増やすなどして老後に備えておくことが老後の安心につながります。

老後にいくら必要かは、シミュレーションすれば算出することができます。備えあれば憂いなしですから、老後の資産づくりは早めに着手することをおすすめします。

参考資料