物価高が進む中、なかなか貯蓄にまで手が回らないという方も少なくないでしょう。
自分と同世代の人は、どれほど貯蓄できているのか気になるものです。
そこで今回は、2024年12月に公表された公的データを参考にしながら、世代ごとのお金事情に迫ります。
記事の後半では、「手取り収入から預貯金へ振り分ける割合」についても解説します。
もちろん、あくまでも平均であるため個人によって異なるものですので、データに興味を持たれた方は「我が家の場合はどうか」を考えるきっかけにしてみてください。
1. 【最新】20歳代~70歳代「貯蓄はいくら貯めてる?」
J-FREC 金融経済教育推進機構が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人世帯調査](2024年)」より、20歳代~70歳代・二人以上世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)を確認します※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 【20~70歳代】貯蓄額の平均値
- 20歳代:382万円
- 30歳代:677万円
- 40歳代:944万円
- 50歳代:1168万円
- 60歳代:2033万円
- 70歳代:1923万円
年代を追うごとに、順調に高まっている様子がわかります。ただし、中央値を見ると少し印象が変わるかもしれません。
1.2 【20~70歳代】貯蓄額の中央値
- 20歳代:84万円
- 30歳代:180万円
- 40歳代:250万円
- 50歳代:250万円
- 60歳代:650万円
- 70歳代:800万円
年代があがるほどに金額は増加するものの、平均値ほどではありません。
子どもの学費がピークに差し掛かる人も多い40歳代~50歳代で、250万円となっています。
平均値は一部の大きな値に引っ張られやすい傾向にあるため、中央値(データの数値を小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値)のほうが実態がつかみやすいかもしれません。
試しに、60歳代を抜粋して「貯蓄額ごとの世帯割合」を見ていきましょう。
1.3 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄額ごとの世帯割合一覧
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満: 5.3%
- 200~300万円未満: 3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
-
3000万円以上:20.0%
60歳代の貯蓄額平均は2033万円でしたが、「貯蓄3000万円以上」は20.0%、「貯蓄ゼロ」は20.5%など、平均ではわからない実態がつかめます。
貯蓄額の差として、60歳代は退職金や相続資金の有無も大きいです。しかし、貯蓄をしてきた方にとっては「努力したから当然だ」と思う方もいるでしょう。
コツコツ貯蓄を進めている方は、あらかじめ「手取り収入からの貯蓄額」を決め、先取り貯蓄ができる人が多いです。
次章では、「手取り収入からの貯蓄割合」について、年代別に見ていきましょう。
2. 【年代別】みんなは手取り収入からどれほど預貯金へ振り分ける?
収入を得たとき、支出した結果の余りを貯めるという「残し貯め」よりも、あらかじめ貯蓄に回した結果を支出の予算とする「先取り貯蓄」の方が、貯蓄効果が高いと言われています。
手取り収入からどれほど預貯金へ振り分けているのか、同調査から見ていきましょう(※金融資産保有世帯のうち金融資産に振り分けた世帯)。
2.1 【20~70歳代】預貯金への振り分け割合の平均値
- 20歳代:14%
- 30歳代:14%
- 40歳代:13%
- 50歳代:12%
- 60歳代:13%
- 70歳代:14%
40歳代~60歳代は他の年代よりも若干少なくなっています。ライフステージによっては支出がかさみ、貯蓄に回すゆとりがない時期もあるといえます。
なお、預貯金への振り分け割合が「0%」と答えた割合は次のとおりです。
- 20歳代:5.2%
- 30歳代:12.5%
- 40歳代:11.8%
- 50歳代:11.1%
- 60歳代:11.7%
- 70歳代:10.2%
30歳代以降の約1割は、預貯金への振り分けができていない様子がわかります。
3. いくら貯めたい?みんなの「貯蓄の目標額」
最後に、同資料からみんなの「貯蓄の目標額」を見ていきましょう。
3.1 年代別の金融資産目標残高:平均値・中央値
- 20歳代:1880万円・1000万円
- 30歳代:2908万円・1000万円
- 40歳代:3174万円・2000万円
- 50歳代:2891万円・2000万円
- 60歳代:3602万円・2000万円
- 70歳代:2995万円・2000万円
中央値が1000万円を超えており、意識が高いことがわかります。一方で、実際の貯蓄中央値が上記に届いていないことから、思うように貯蓄が進んでいない世帯も少ないないでしょう。
年代や、ライフステージによって貯め時は変わるため、どうしても貯蓄できない時期はやってきます。その分、多めの蓄えがあると安心ですね。
なんとなく「貯蓄しよう」と思うだけでなく、「いつまでに何の資金をいくら貯める」「ライフステージごと・預貯金への振り分け割合」なども決めてしまえば、貯蓄のモチベーションは保ちやすくなります。
4. まとめにかえて
今回確認したデータはあくまでも平均値であるため、実際の貯蓄事情は世帯人数や生活費、収入、居住地などによって異なることが一般的です。
紹介したデータ以外にも、年収ごとや地域別、就業者数別などさまざまなデータが紹介されているので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
大事なのは、まずはデータをきっかけとして興味をもち、「自分のケース」の目標につなげていくことです。



