物価高や少子高齢化が進む日本において、老後資金を不安視する方は少なくありません。しかし、実際に必要となる金額は世帯によって異なるため、一概に「〇〇円が必要だ」とは言えません。

実際に今の60歳代の貯蓄額を確認してみても、「貯蓄3000万円以上」や「貯蓄ゼロ」など、その事情はさまざまです。

現役時代の年収や退職金だけでなく、「子どもの進路や住宅ローンの有無」など、支出額によっても貯蓄のスピードは異なったはずです。

老後を迎えたあとの「年金収入」によっても、必要な老後資金は大きく左右されるでしょう。

そこで今回は、2024年12月に公表された公的データを参考にしながら、シニアのお金事情に迫ります。

もちろん個人によって異なるものですので、データに興味を持たれた方は「我が家の場合はどうか」を考えるきっかけにしてみてください。

1. 【最新】60歳代で「貯蓄3000万円以上」「貯蓄ゼロ」どちらが多い?平均・中央値も

J-FREC 金融経済教育推進機構が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人世帯調査](2024年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)を確認します※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

「貯蓄3000万円以上」「貯蓄ゼロ」どちらの割合が多いのでしょうか。

1.1 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:2033万円
  • 中央値:650万円

平均は2000万円を超えましたが、中央値は650円でした。金額帯ごとにも割合をみていきましょう。