住民税非課税世帯への「3万円給付」が決定し、各地で支給が進められています。
一方、2月5日に厚生労働省が公表した生活保護の被保護者調査の結果によると、保護の申請件数は2万2320件となり、前年度同月よりも1.6%の増加となりました。
申請者の割合をみると、半分近くを高齢者が占めています。
経済的に苦しい高齢者が多く、住民税非課税世帯への「3万円給付」の対象となるのも、現役世代より高齢者世帯の方が多いことが推測されます。
最近では老後に対して不安を感じている方も多いようですが、実際に国からの年金だけでは生活できない事態となってしまう可能性もありますね。
税金や保険料等の支払いは、老後の生活にも重くのしかかります。
ただし、「住民税非課税世帯」と言われるように、住民税の支払い義務のない「住民税非課税世帯」があるもの事実です。
住民税非課税世帯と認定されるための要件は以下の3つです。
- 生活保護を受けていること。
- 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下であること。
- 前年の所得が市区町村などの基準より少ないこと。
これらのいずれかに当てはまると、住民税が非課税になります。具体的にどのような人があてはまるのかや、住民税非課税世帯の年代別割合とともに見ていきましょう。
1. 住民税非課税世帯となる要件とは
「住民税非課税世帯」となるための条件は、前述のとおりです。
ただし、最後の「前年の所得」に関する基準は自治体によって異なることもあります。
お住まいの自治体窓口やHP等で確認するのが確実ですが、目安を知りたいという方もいるでしょう。
ここでは、参考までに東京23区の条件を確認してみます。
1.1 「住民税非課税世帯」の所得基準(東京23区の場合)
東京23区では、前年中の合計所得金額が以下に該当する場合と定めています。
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
扶養親族がいない場合の目安は「所得45万円以下」となっていますね。
ただし、所得と言われてもピンとこないかもしれません。私たちが給与や年金等を得るとき、意識するのは「収入(額面)です。
年収での目安も知りたいですね。
1.2 住民税非課税世帯となる「年収の目安」とは
東京都港区では、住民税非課税世帯に該当する「年収」の目安も公表しています。
- アルバイトやパートの給与収入:100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人:年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人:年金収入が105万円以下
- 不動産収入等所得がある人:収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)
例えば、アルバイトやパートの給与収入であれば100万円以下ですが、65歳以上で年金収入のみの場合は155万円以下です。
基準が高く設定されていることから、年金生活者の方が住民税非課税世帯に該当しやすいとわかります。
給与として130万円を得る人は住民税が課税されますが、年金として130万円を得る人は非課税になる、と考えるとわかりやすいですね。
こうした住民税非課税世帯を対象として、しばしば給付金が支給されています。
今年も3万円の支給が各自治体で進められています。
2. 【住民税非課税世帯】への3万円給付が決定
2024年11月22日に発表された経済対策で、低所得者世帯に向けて「3万円の給付金」が支給されることが決まりました。
対象となる「低所得者世帯」とは、原則として住民税非課税世帯を指します。
物価上昇における生活費をサポートするため、3万円(子育て世帯には1人あたり2万円)が支給されます。
2.1 独自に対象者を拡大する自治体も
なお、自治体によっては独自に対象者を拡大するところもあります。
例えば千葉県船橋市では、住民税非課税世帯に加えて下記も対象としています。
- 住民税均等割のみ課税世帯
- 家計急変世帯
住民税は「所得割」と「均等割」にて構成されていますが、均等割のみが課税される世帯も対象にするとのことです。
また、家計急変世帯として「予期せず令和6年1月から令和6年12月までの収入が減少し、世帯全員が「住民税が非課税」である世帯と同様の事情にあると認められる世帯」も対象にするとしました。
自治体によって独自の制度があるため、くわしくはお住まいの自治体の情報を確認しましょう。
最後に、住民税非課税世帯に該当する年代別の割合に迫ります。
3. 住民税”課税”世帯は年代を追うごとに減少傾向
年金生活者ほど、住民税非課税世帯に該当しやすいことがわかりました。
課税状況がわかる資料として、厚生労働省が2024年7月5日に公表した「令和5年国民生活基礎調査」があります。
こちらをもとに、年代別の住民税”課税”世帯の割合を年代別に見てみましょう
- 30歳代:88.0%
- 40歳代:90.0%
- 50歳代:86.4%
- 60歳代:78.3%
- 70歳代:64.1%
- 80歳代:47.5%
- 65歳以上(再掲):61.9%
- 75歳以上(再掲):50.9%
注1:全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯が含まれます。
注2:総数には、年齢不詳の世帯が含まれます。
注3:住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含む。
住民税額不詳の世帯を含む調査のため、単純に100から引いた数が住民税非課税世帯になるわけではありませんが、およその実態を把握することができます。
年代を追うごとに課税世帯の割合は減っていることから、やはり高齢者世帯の方が住民税非課税世帯に該当しやすいことがわかります。
4. まとめにかえて
今回は、現在進行中の「3万円給付金」の対象となる住民税非課税世帯について整理しました。
物価上昇や社会保険料の負担は老後まで続く可能性が高いため、低所得者世帯を対象とした給付金が頼りになることもあるでしょう。
中には独自に対象者を拡大したり、金額を上乗せしたりする自治体もあるため、お住まいの情報を正しくつかむことが大切です。
5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
5.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。