低金利状態が続く日本では、お金が全く増えないだけではなく物価上昇によってお金の価値が下がってしまうという状況となっており、新NISAをはじめとした”資産運用”に関心を持たれる方が、以前より増えているように思えます。
資産形成の目的を「老後資金をつくるため」とする方も少なくありませんが、最新の統計では「金融資産目標残高」の中央値がいずれの年代でも1000万円となったことがわかりました。
NISA制度は少額から資産運用ができ、初めて資産運用に挑戦するという方でも比較的始めやすい制度となっています。
SNSでも取り上げられることのあるNISAですが、果たしてどれくらい資産を増やせるものなのでしょうか。
今回は、NISA制度の概要を確認し、もし15年間積立で資産運用をした場合、運用成果によってどれほどの資産が準備できるのかを確認していきます。
また、資産運用はリスクもありますので、このリスクについても理解したうえで資産運用を始めるのかの参考にしていただければと思います。
1. いくら貯めたい?年代別の目標額とは
J-FREC 金融経済教育推進機構が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」より、年代別の「金融資産目標残高」を見ていきましょう。
1.1 年代別の金融資産目標残高:平均値・中央値
- 20歳代:1811万円・1000万円
- 40歳代:2621万円・1000万円
- 40歳代:3336万円・1000万円
- 50歳代:2841万円・1000万円
- 60歳代:2838万円・1000万円
- 70歳代:2791万円・1000万円
70歳代であっても、平均目標額は2791万円となりました。
老後を考え、ある程度の備えを目標とする世帯がいることがうかがえます。
一方、中央値はどの年代でも1000万円に。金融資産の保有目的(金融資産を保有していない世帯を含む)は、 「老後の生活資金」が高い傾向になりました。
こうした金融資産について、NISAを利用して作ろうと考える方もいるでしょう。