3. 受給開始年齢による年金額の違い【繰上げ受給と繰上げ受給】
年金額に違いが出る要因として、受給開始年齢によるものがあります。
老齢年金の受給開始年齢は、現在は原則として65歳です。しかし、60歳から75歳の間であれば、自分の希望する年齢で受給を開始することができます。
その際、受給開始年齢を早めた(繰上げた)場合には、年金額が1月ごとに0.5%減額(※)します。
※昭和37年4月1日以前生まれの方の場合
受給開始年齢を遅らせた(繰下げた)場合には、受給年金額は1月ごとに0.7%増額します。増額をする場合、最大10年間で84%の年金額の増加をすることができます。
※昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなります。
3.1 年金受給額について
年金額は現役時代の報酬額や納付状況、受給開始年齢などによって異なります。
そのため、自身の老後設計のために収支を試算する際は、日本年金機構のホームページによる試算ツールや、ねんきん定期便でおおよその年金受給額を算出してみることをお勧めします。
4. まとめにかえて
年金収入は、老後の生活を支える重要な柱です。現役のうちから将来の受給額を試算し、老後の生活設計を具体的に立てておくことで、期待と現実のギャップを小さくすることができます。
老後の計画をしっかり立てることは、セカンドライフを豊かに過ごすために欠かせません。
何歳まで働くのか、どのくらいの年金収入が期待できるか、毎月の生活費などを考慮して、将来に不足がないように準備を整えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」Ⅱ 各種世帯の所得等の状況
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
- 日本年金機構「報酬比例部分」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
斎藤 彩菜