2025年度から、75歳以上の高齢者を対象とする「後期高齢者医療保険」の保険料が全国平均で「月額7192円」となる見込みです。

これは今年度(2024年度)と比較して1.6%の増加となり、今後の高齢化社会における医療費負担の増加を反映した結果と言えます。

本記事では、後期高齢者医療保険料の概要や、2025年度に予定されている保険料の変更について詳しく解説していきます。

都道府県別の後期高齢者医療保険料の負担額も紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. そもそも「後期高齢者医療制度」とは?

「後期高齢者医療制度」は、75歳以上の高齢者を対象にした医療保険制度で、75歳に達すると自動的に加入することになります。

また、65歳以上74歳以下で一定の障害がある場合も、加入資格を得ることができます。

保険料の額は、各都道府県の自治体によって異なり、全ての加入者が均等に負担する「均等割額」と、所得に応じて負担する「所得割額」の合計で決まります。

医療費の自己負担は通常1割ですが、高所得者や現役並み所得者の場合、負担割合が2割または3割に引き上げられるケースも。

【写真全4枚】1枚目/後期高齢者医療保険制度の窓口負担割合、2枚目/令和6年度・令和7年度の後期高齢者医療保険料1/4

後期高齢者医療保険制度の窓口負担割合

出所:政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」

後期高齢者医療制度は2024年度に保険料が増額され、さらに2025年度にも値上げが予定されています。

2. 【後期高齢者医療保険】2025年度は全国平均で月額7192円となる見込み

2023年度の平均保険料月額は6575円でしたが、2024年度は保険料が7.7%増加し、月額は「7082円」となっています。

さらに、2025年度はさらに増額し、全国平均で「月額7192円」となる見込みです。

令和6年度・令和7年度の後期高齢者医療保険料2/4

令和6年度・令和7年度の後期高齢者医療保険料

出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」

2.1 【2024年度の後期高齢者医療制度の平均保険料額】

  • 平均保険料額(月額):7082円(前年より507円増加)
  • 均等割額(月額):4199円(前年より218円増加)
  • 所得割率:10.21%

2.2 【2025年度の後期高齢者医療制度の平均保険料額】

  • 平均保険料額(月額):7192円となる見込み(前年より110円増加)
  • 均等割額(月額):2024年度と同じ
  • 所得割率:2024年度と同じ

年額で見ると、平均保険料が8万円を超えるため、決して軽い負担とは言えません。

では、なぜ後期高齢者医療保険の保険料は年々増加しているのでしょうか。

2.3 後期高齢者医療保険の保険料が増加している背景

後期高齢者医療保険の保険料が増加している背景には、「少子化」と「長寿化による医療費の増加」が主な要因として挙げられます。

日本では少子化が進んでいることで現役世代の保険料負担が年々増加しています。

さらに平均寿命が延び続けていることから、現役世代の負担の公平化を図るために、後期高齢者医療保険料が上がり続けているのです。

後期高齢者ひとり当たりの保険料推移(平成20年度~令和4年度)3/4

後期高齢者ひとり当たりの保険料推移(平成20年度~令和4年度)

出所:厚生労働省「医療保険制度改革について」

また、子育て支援を全ての世代で行うために、出産育児一時金を全世代で負担する仕組みが導入され、後期高齢者の保険料から支援することになったのも保険料増加の要因となっているのでしょう。

2.4 【都道府県別】2025年度の「後期高齢者医療保険料」の毎月の負担額はいくら?

では最後に、厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」を参考に、年金収入195万円の人をモデルとして、2025年度の保険料例を確認していきましょう。

【2025年度】年金収入195万円の人の後期高齢者医療保険料4/4

【2025年度】年金収入195万円の人の後期高齢者医療保険料

出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」をもとにLIMO編集部作成

  • 全国:5673円
  • 北海道:6325円
  • 青森県:5415円
  • 岩手県:4808円
  • 宮城県:5216円
  • 秋田県:5042円
  • 山形県:5283円
  • 福島県:5056円
  • 茨城県:5358円
  • 栃木県:4991円
  • 群馬県:5567円
  • 埼玉県:5067円
  • 千葉県:5008円
  • 東京都:5355円
  • 神奈川県:5440円
  • 新潟県:4850円
  • 富山県:5033円
  • 石川県:5573円
  • 福井県:5458円
  • 山梨県:6003円
  • 長野県:5156円
  • 岐阜県:5400円
  • 静岡県:5275円
  • 愛知県:6117円
  • 三重県:5475円
  • 滋賀県:5371円
  • 京都府:6180円
  • 大阪府:6495円
  • 兵庫県:6134円
  • 奈良県:5833円
  • 和歌山県:6125円
  • 鳥取県:5892円
  • 島根県:5618円
  • 岡山県:5758円
  • 広島県:5438円
  • 山口県:6408円
  • 徳島県:6033円
  • 香川県:5892円
  • 愛媛県:5719円
  • 高知県:6100円
  • 福岡県:6641円
  • 佐賀県:6250円
  • 長崎県:5792円
  • 熊本県:6259円
  • 大分県:6509円
  • 宮崎県:5675円
  • 鹿児島県:6592円
  • 沖縄県:6410円

後期高齢者医療保険料は、都道府県ごとに設定されており、地域によって大きな違いが見られます。

事前にご自身の地域の保険料基準額を確認し、年金からどの程度天引きされるのかを把握しておくことが大切です。

3. 年金以外の老後の備えもしておこう

本記事では、後期高齢者医療保険料の概要や、2025年度に予定されている保険料の変更について解説していきました。

75歳以上が対象となる「後期高齢者医療保険」は、見直しのたびに増額が続いており、2025年度には全国平均で月額7192円になる見込みです。

少子高齢化の進行に伴い、今後も保険料の負担増は避けられないことが予想されます。

保険料が上がることで年金の手取り額が減少し、生活への影響が大きくなる可能性があります。

こうした状況を踏まえ、年金に依存しすぎない老後資金の確保や収入源の確保について、早めに準備を進めておくことが重要です。

参考資料

和田 直子