消費税引上げ分を活用して2019年10月に始まった「年金生活者支援給付金」の支給件数は、2024年3月時点で785万件以上に達しました。

これから年金を受給する人の中には、「いくらくらいの給付金がもらえるの?」「自分も対象になるのか?」と疑問に感じる人もいるでしょう。

本記事では、年金生活者支援給付金の件数や平均給付金額について解説します。

給付金の対象者も紹介しますので、老後の資金計画を立てるときの参考にしてください。

1. 年金生活者支援給付金の支給件数

厚生労働省が2024年12月に公表した「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月時点で年金生活者支援給付金の支給件数は784万5083件でした。

年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金によって3種類(補足的老齢年金生活者支援給付金を含めると4種類)あり、それぞれの支給件数は次の通りです。

  • 老齢年金生活者支援給付金:456万7219件
  • 補足的老齢年金生活者支援給付金:105万9912件
  • 障害年金生活者支援給付金:214万43件
  • 遺族年金生活者支援給付金:7万7909件

老齢年金生活者支援給付金と補足的老齢年金生活者支援給付金を合計すると支給件数の70%以上を占め、残りの大半が障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者支援給付金は1%弱です。

2. 年金生活者支援給付金の平均給付金額

年金生活者支援給付金の給付金額は毎年4月に更改されます。

2024年3月時点の平均給付金額(月額)は次の通りです。

年金生活者支援給付金の給付金額2/5

年金生活者支援給付金の給付金額

出所:厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 老齢年金生活者支援給付金:4014円
  • 補足的老齢年金生活者支援給付金:2116円
  • 障害年金生活者支援給付金:5555円
  • 遺族年金生活者支援給付金:5057円

障害年金生活者支援給付金の給付金額は、障害等級1級の人は月6638円、2級の人は月5310円で、平均すると5555円でした。

遺族年金生活者支援給付金は一律5310円ですが、遺族である子どもが複数いる場合は支援給付金が分割支給されるため、平均給付金額は5310円を少し下回ります。

老齢年金生活者支援給付金の給付金額は月5310円を基準に保険料納付済期間や保険料免除期間によって加減算するため、平均給付金額は5310円を大幅に下回りました。

保険料納付済期間が短い人ほど、給付金額は少なくなります。

ここまで、年金生活者支援給付金の支給件数や平均給付金額について解説してきました。

次章では、年金生活者支援給付金の対象者について解説します。

3. 年金生活者支援給付金の対象者

年金生活者支援給付金の対象者は、老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金を受給している人の中で一定の要件を満たした人です。

それぞれの要件について解説します。

3.1 (補足的)老齢年金生活者支援給付金の対象者

老齢年金生活者支援給付金の対象者は、老齢基礎年金を受給している人の中で次の要件を満たした人です。

  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が以下の通りである
    1956年(昭和31年)4月2日以後生まれの人:78万9300円以下
    1956年4月1日以前生まれの人:78万7700円以下

公的年金等の収入金額には、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。

年金は収入金額ですが、給与などその他については所得金額で計算するので注意しましょう。

また、上記の所得要件(公的年金等の収入金額とその他の所得の合計金額)に該当しなくても、次の要件に該当すれば補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。

  • 1956年4月2日以後生まれの人:78万9300円超88万9300円以下
  • 1956年4月1日以前生まれの人:78万7700円超88万7700円以下

3.2 障害年金生活者支援給付金の対象者

障害年金生活者支援給付金の対象者は、障害基礎年金を受給している人の中で次の要件を満たした人です。

  • 前年の所得が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※)」以下である

※70歳以上の配偶者や老人扶養親族は48万円、特定扶養親族や16歳以上19歳未満の扶養親族は63万円で計算します。

老齢年金生活者支援給付金とは異なり、家族の収入などは関係なく年金受給者本人の所得のみで判定します。

3.3 遺族年金生活者支援給付金

遺族年金生活者支援給付金の対象者は、遺族基礎年金を受給している人の中で次の要件を満たした人です。

  • 前年の所得が「472万1000円+扶養親族の数×38万円」以下である

前年の所得の計算方法は、70歳以上の配偶者などの計算方法を含めて障害年金生活者支援給付金と同じです。

4. まとめにかえて

年金生活者支援給付金の支給件数は、2024年3月時点で784万5083件です。

老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金を含む)が支給件数の70%以上を占め、残りの大半を障害年金生活者支援給付金が占めます。

各支援給付金の平均給付金額は次の通りです。

  • 老齢年金生活者支援給付金:4014円
  • 補足的老齢年金生活者支援給付金:2116円
  • 障害年金生活者支援給付金:5555円
  • 遺族年金生活者支援給付金:5057円

給付金の対象となる要件も確認して、老後の資金計画を立てるときの参考にしてください。

参考資料