6.2 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額
国民年金は以下のとおりです。
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金は厚生年金ほどは個人差が見られません。
100万人以上の金額をみると3万円以上でした。
なお、最も多い6万円台は約1597万人となっています。
国民年金のみの方は年金のみでの生活は難しいからこそ、若いころから備える必要があります。
付加年金や国民年金金(併用不可)、個人年金保険など私的年金などで備えるのも選択肢の一つでしょう。
7. 将来の年金生活への備えを
ここからは、現役世代が将来の年金生活に備えて老後資金づくりをはめる際に大事なことについて解説していきます。
7.1 まずは明確な目標金額の設定から
年金生活への不安をなくすためには、明確な目標金額を設定し、それをもとに老後資金づくりの計画を立てることが大事です。
まずは最初に、明確な目標金額を設定するためにも「将来、年金だけで不足する老後の生活費」を算出しましょう。
これは、ねんきん定期便やねんきんネットで自身が将来受け取れる年金見込額と老後にかかる毎月の生活費から計算ができます。
たとえば、毎月受け取れる年金見込額が23万円。ひと月にかかる生活費が25万円の場合、月の赤字は2万円です。
仮に年金生活が30年続くと仮定した場合、老後にかかる赤字のトータル金額は720万円となります。
この段階で、「年金だけで不足する老後の生活費」の算出はできましたが、生活費以外にも準備しておきたいのが、介護費用です。
高齢者の多くは、80歳代や90歳代になると介護を必要とする方も増えてきます。仮に、施設に入るとなれば1000万円から2000万円単位のお金を必要とすることもザラです。
先ほどの年金で不足する老後の生活費と介護費用をあわせて、このケースでは老後資金として最低でも約2000万円から3000万円あるといいと分かります。
最終的に準備すべき老後資金の金額が分かれば、後は準備方法についてです。
この準備方法については、自分のお金に対する考え方をもとに決めましょう。
たとえば「投資によって資産が減るリスクは抱えたくない」という方は貯金で準備を。「ある程度のリスクを承知で資産を増やしたい」という場合は投資の活用を。
以上のように、最初に目標金額が決まれば、どのように資金を準備するかの計画を立てやすくなります。まずは、自分の理想の老後ライフをイメージするところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年 高年齢者雇用状況等報告」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
鶴田 綾