3. 老後にどう備える?新NISAは幅広い年収帯で利用に
現役世代が老後に備える方法は複数あります。
仕事による収入を得続けることで貯蓄が進む場合もありますので、長く働けるキャリアプランを現役時代から考えることは大切でしょう。
また、毎月一定額を貯めていく貯蓄習慣をつけることも大切です。
最近では預貯金のほか、新NISAを利用して積立投資で毎月一定額を貯めることも可能です。新NISAは資産運用なのでリスクがありますが、効率的に運用をできる可能性もあります。
日本証券業協会「「新 NISA 開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」の公表について」によれば、2024年に新NISAで金融商品を購入した調査対象者7610人の中で、積立投資ができる「つみたて投資枠」を利用している人は6008人(78.9%) でした。
平均的な購入金額は47.3万円となっています。月にすると約4万円です。
なお、新NISA利用者の年収分布をみると最も多い順に「年収300万円未満」で39.7%、「300万円~500万円未満」が27.7%、「500~700万円」17.1%でした。
「年収700万円~1000万円未満」は10.0%、「1000万円~1200万円未満」2.7%など、幅広い年収で新NISAのつみたて投資枠は利用されています。
積立投資はリスクはあるものの、長期間をかけて分散・積立投資をすることでリスクを軽減することも可能です。老後資金準備の一つとして検討するのも一つでしょう。
4. 制度の利用も検討して早くから老後準備を
本日は60歳代世帯の懐事情を確認してまいりましたがいかがでしたでしょうか。
2024年に続き、今年も物価上昇が見込まれる中、年金支給額の上昇はなかなか見込めず、ますます生活が難しくなると感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まだ老後まで時間がある方はなるべく早くから老後資金準備をはじめましょう。
今はiDeCoやNISAなど、投資をはじめやすい環境もありますので、しっかり制度を活用し、豊かな老後に向けて今の生活を振り返る時期なのかもしれませんね。
参考資料
- 日本証券業協会「「新 NISA 開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」の公表について」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
足立 祐一