老後資金については「いくら準備すればいいのかわからない」と悩む現役世代も多いもの。

少子高齢化の現代においては年金受給額が下がる可能性もあり、「まず老後に1000万円はほしい」と思う方もいるでしょう。

ただし、生活費や住宅ローン、教育費などを払っていると、現役時代に老後に向けて1000万円貯めるのは簡単ではありません。

では今の60歳代はとれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。

1. 60歳代で「貯蓄1000万円以下」の割合は?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年調査結果」から、60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(※)を確認してみましょう。

※日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

1.1 【60歳代の貯蓄事情】二人以上世帯の金融資産保有額はいくらか

  • 平均:2026万円
  • 中央値:700万円

60歳代の貯蓄の平均は2026万円。まとまった貯蓄がある印象ですが、中央値は700万円となっており、貯蓄1000万円以上貯めるのは簡単でないとわかります。

割合をみると、60歳代の54.5%は貯蓄1000万円以下となっており、半数以上が貯蓄1000万円を保有していませんでした。

そのうち貯蓄ゼロは21.0%でおよそ5世帯に1世帯です。