ファイナンシャルアドバイザーの筆者は毎日資産運用の相談を受けており、その中でよく聞かれる質問があります。「みなさん、どのくらいの金額で運用しているのですか」や「平均的に運用にどのくらいお金を回したら良いのでしょうか」といった内容です。
普段、親しい関係でもお金の話になると、聞きづらかったり話したがらなかったりすることが多いものです。今回は、特に60歳代と70歳代の世帯に焦点を当て、金融資産の保有額やその割合を見ていきたいと思います。
後半では、具体的に資産運用シミュレーションを使い、3000万円を貯めるためにどれくらいの期間と積立金額が必要かについても解説します。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円保有する世帯は何パーセント?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代・二人以上世帯の貯蓄割合は下記の結果となりました。
- 金融資産非保有:21.0%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.5%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:7.2%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:6.8%
- 1500~2000万円未満:5.4%
- 2000~3000万円未満:9.5%
- 3000万円以上:20.5%
60歳代の二人以上世帯において、貯蓄が3000万円以上ある世帯は20.5%にのぼります。
一方、貯蓄が全くない「金融資産非保有世帯」の割合は21.0%で、ほぼ同数となっています。
60歳代では、すでに現役を退職した世帯や、まだ働いている世帯、退職金を受け取った世帯とそうでない世帯が混在しているため、貯蓄に大きな差が生じていることがうかがえます。
次は、70歳代世帯の状況について見ていきましょう。