2. 「103万円の壁」から「178万円の壁」になる?
前章でもお伝えしたように、現在政府は所得税の支払い義務が発生する「103万円の壁」の引き上げを検討しています。
国民民主党が提案する改正案では、基礎控除を現行の48万円から123万円に引き上げ、非課税となる収入の上限を「178万円」まで引き上げる方針を掲げています。
103万円の壁引き上げが検討される背景には、最低賃金の上昇が要因としてあります。
103万円の壁は1995年以降変わっていませんが、当時の最低賃金と比較すると、現在の最低賃金は1.73倍となっています。
この比率で年収の壁を見直すと、「103万円 × 1.73 = 約178万円」となります。
現在のところ、年収178万円の壁への引き上げはまだ確定していませんが、政府は近年の物価高や賃金の動向を踏まえ、「103万円の壁の廃止」および「年収の壁の見直し」に向けた検討を進めています。