日本でもコロナ禍以降、物価上昇の影響を受け、生活費の増加に悩む世帯が増加しています。
円安や人手不足などを背景に、物価高が当面続くと見られる中、将来への備えが重要視されています。2024年には新NISAがスタートしたほか、「iDeCo」の掛金限度額引き上げが検討されるなど、老後資金形成の注目度が高まっています。
公的年金だけでは生活が厳しい可能性もあり、不足額を把握し、計画的に資産形成を進めることが求められます。
本記事では、日本の年金制度や受給額を解説し、低年金者向けの「年金生活者支援給付金」の概要や支給要件についても解説します。
1. 日本の公的年金制度をおさらい
最初に、簡単に日本の公的年金制度のしくみを確認しておきましょう。
日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」による2階建て構造です。
1.1 1階部分:国民年金
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則として加入
- 保険料は全員一律(年度ごとに見直し)
- 全期間(40年間)保険料を納付した場合に満額が支給される
1.2 2階部分:厚生年金
- 会社員や公務員、パート・アルバイト従業員など特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が国民年金に上乗せで加入
- 保険料は収入に応じて(上限あり)算出され企業と折半して負担
- 加入期間や納めた保険料により年金額が決定する
このように、現役時代の過ごし方や働き方で、老後に受給できる年金の種類や年金額が決定するしくみになっています。
次章で、現代のシニア世代は月額どれくらいの年金を受給しているのか、確認していきます。