4.2 厚生年金(老齢厚生年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、上記は、民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」です。また、上記の厚生年金の年金月額には国民年金の月額部分も含まれます。
厚生年金は、国民年金に上乗せして加入する仕組みのため、一般的には国民年金のみを受給する場合と比較すると、年金水準が高くなります。
ただし実際の受給額は「年金加入期間と、その期間の収入」によって決まるため、個人差が大きい点を心得ておく必要があるでしょう。
たとえば、厚生年金の加入期間が短かったり、国民年金の保険料納付月数が少なかったりした場合は、年金受給額が低くなることがあります。このような場合、年金生活者支援給付金の対象となる可能性もあるでしょう。
5. 申請しないともらえない「公的なお金」
冒頭でも触れましたが、年金生活者支援給付金は受給要件を満たす限り、継続的に受け取ることができる支援です。
支給対象となった人には日本年金機構からお知らせが届きますので、漏れなく受給できるように手続きをおこないましょう。
現在、2025年補正予算に盛り込まれた「住民税非課税世帯を対象とした1世帯当たり3万円の給付金」の支給に向けて、各自治体で準備が進行中。
年金生活者支援給付金以外にも、国や自治体が実施する各種支援の多くが「申請手続き」を必要とします。
手続きしないともらえない公的なお金は、結構あるかもしれませんね。こうした公的支援に関する情報に、高くアンテナをはっておくことも、暮らしとお金を守る工夫の一つと言えそうです。
6. 新たに「年金生活者支援給付金」の対象となる方は要手続き
今回は、「年金生活者支援給付金」の支給要件や給付金額について詳しく解説してきました。
年金生活者支援給付金の対象となる方には、9月頃より順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されています。
給付金を受け取るには手続きが必要ですので手続きがまだ済んでいないという方は、届いた請求書の必要事項に記入し、速やかに返信しましょう。
また、既に年金生活者支援給付金を受給している方に関しては手続きは原則不要です。
いま現在、年金生活を送っている方で「そういえば、以前年金に関する書類が届いていたな…」という方はいま一度、年末の大掃除ついでに書類の整理・確認をしておきましょう。
また、これから年金生活を迎える方については、所得が一定以下の場合、年金生活を支援する制度があるということを、頭の片隅にしっかりとどめておきましょう。
自身が年金生活で困ったときに、ほんの少しではありますが生活の足しになることでしょう。
また、このような支援制度があることを認識しておくこととは別に、将来年金生活で困らないためにも、十分な老後資金づくりを始めることも検討してみても良いかもしれません。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 首相官邸「令和6年度補正予算成立等についての会見」(2024年12月17日)
鶴田 綾