近年、資産形成の手段として注目を集める「新NISA」と「iDeCo」。特に、新NISAはその手軽さから多くの人が利用を始めていますが、iDeCoについては「制度が複雑でわかりにくい」と感じる声も少なくありません。
新NISAと比較すると、iDeCoは独自の仕組みが多く、「始める前に知っておけばよかった」と後悔する人もいるようです。
そこで今回は、元銀行員であり、企業型確定拠出年金やiDeCoの講師を担当していた筆者が、受講者から聞いたエピソードをもとに後悔しがちな点を3つご紹介します。
2025年からiDeCoを始めてみようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 後悔(その1):iDeCoで運用商品の変更方法を間違えてしまった
iDeCoでは、運用環境に応じて運用商品を変更することが可能です。しかし、「配分変更」と「スイッチング」の手続きを正しく理解していないと、思わぬミスをしてしまうことがあります。
- 今後の掛け金の購入先を変更する(配分変更)
すでにA商品で運用されている資産はそのまま残り、運用が続きます。
- 今までの資産を売却し、他の商品で運用を始める(スイッチング)
この手続きだけでは、掛け金の購入先は変わりません。そのため、今後も掛け金の配分としてA商品を指定しているのであれば、引き続きA商品を購入することになります。
A商品での運用を完全にゼロにしたい場合は、配分変更とスイッチングの両方を行う必要があります。
この違いを把握せずに手続きを進めると「A商品を売却したつもりが運用は続いていた」という失敗につながることもあります。
配分変更とスイッチングはiDeCoでよく混同されるポイントです。違いを理解しておきましょう。