2. 後悔(その2):転職した時に手続きを忘れて自動移換されてしまった
企業型確定拠出年金に加入していた人が転職した場合、前職の企業型確定拠出年金制度に、自分の資産を置いておくことはできません。
そのため自分でその資産を移換する必要があるのですが、この手続きを忘れてしまう人が意外と多いようです。
6ヵ月以内に手続きをしなければならず、期限を過ぎてしまった場合、その資産は、国民年金基金連合会(特定運営管理機関)に自動移換されます。
自動移換された場合、資産の運用ができないだけでなく、所定の手数料等もかかるため、資産の目減りにつながる点は注意が必要です。
2.1 自動移換とは
企業型年金加入者が、資格喪失後6カ月以内に、他の企業型年金、個人型年金、確定給付企業年金または企業年金連合会への個人別管理資産の移換を行わず、かつ脱退一時金の請求手続きも行わない場合に、個人別管理資産が国民年金基金連合会に自動的に移換されること(当該企業型年金の企業型年金運用指図者を除く)。(DC法第83条)
自動移換の問題点として、以下の2点が挙げられる。
(1)資産運用されないため資産を増やすことができないうえに、自動移換の際の手数料(4,348円、2022年4月1日現在。以下同じ)、毎月の管理手数料(月額52円、年間624円)が個人別管理資産額より差し引かれ、個人別管理資産が目減りする。なお、自動移換された後に個人型年金に移換する場合には3,929円、再就職先の企業型年金に移換する場合には1,100円(この他、移換先で手数料がかかることがあります。)がかかる。
(2)自動移換の状態である期間は、確定拠出年金の加入者等期間と見なされないため、老齢給付金の受給資格要件を満たせずに受給開始が遅くなることがある。
ー 企業年金連合会「自動移換」より