4. 「国民年金と厚生年金」2024年度のモデル年金額はいくら？
65歳以上世帯の貯蓄額や家計の状況を確認したところで、老後生活の柱となる年金についても気になるところです。
では、2024年度における厚生年金と国民年金の具体的な受給額について見ていきましょう。
令和6年度の年金額は前年度より増額され、国民年金の満額は6万8000円、厚生年金は、標準的な夫婦（夫が平均的な収入で40年間働いた場合、月額43万9000円、賞与含む）の年金額で23万483円となっています。
これは老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金（満額）の合計です。
前章で示したように、65歳以上無職夫婦の支出は月額約28万円であり、さらに物価上昇が続くことが予測される中で、年金だけに頼った生活には不安が残る部分もあります。
家計状況は各世帯のライフスタイルによって異なるため一概には言えませんが、早い段階で老後資金の対策を考えておくことが重要だと言えるでしょう。
4.1 【参考】厚生労働省「年金部会」による世帯別の年金額例
現代では、単身世帯や共働き世代が増えているという現状を踏まえて、厚生労働省も「年金部会」でいくつかのモデル年金額を提案しています。
厚生労働省が示すモデルケースは、年金制度への信頼を深め、老後生活の不安を軽減することを目的としています。
単身世帯の年金額例を確認
- 報酬54万9000円：18万6104円
- 報酬43万9000円：16万2483円
- 報酬32万9000円：13万8862円
- 報酬37万4000円：14万8617円
- 報酬30万000円：13万2494円
- 報酬22万5000円：11万6370円
- 報酬14万2000円：9万8484円
夫婦世帯の年金例を確認
- 夫の報酬54万9000円＋妻の報酬37万4000円：33万4721円
- 夫の報酬43万9000円＋妻の報酬30万000円*：29万4977円
- 夫の報酬32万9000円＋妻の報酬22万5000円：25万5232円
*夫の報酬43万9000円は男性の平均的な収入、妻の報酬30万円は女性の平均的な収入、以降の数字も同じ
- 夫の報酬54万9000円＋妻の報酬14万2000円**：28万4588円
- 夫の報酬43万9000円＋妻の報酬14万2000円：26万967円
- 夫の報酬32万9000円＋妻の報酬14万2000円：23万7346円
**14万2000円は短時間労働者の平均的な収入（男女計）、以降の数字も同じ
- 妻の報酬37万4000円＋夫の報酬14万2000円：24万7101円
- 妻の報酬30万000円＋夫の報酬14万2000円：23万978円
- 妻の報酬22万5000円＋夫の報酬14万2000円：21万4854円
- 夫婦ともに報酬14万2000円：19万6968円
- 夫の報酬54万9000円＋妻が国民年金のみ加入：25万4104円
- 夫の報酬43万9000円＋妻が国民年金のみ加入：23万483円
- 夫の報酬32万9000円＋妻が国民年金のみ加入：20万6862円
- 妻の報酬37万4000円＋夫が国民年金のみ加入：21万6617円
- 妻の報酬30万000円＋夫が国民年金のみ加入：20万494円
- 妻の報酬22万5000円＋夫が国民年金のみ加入：18万4370円
近年では、共働き世帯が増えており、将来的にはさまざまな雇用形態で働く家庭が増えることが予想されます。
上記のモデルケースでは、給与水準や雇用形態ごとにいくつかのパターンが示されているため、自分たちに近いケースを参考にして、将来の年金額をイメージし、老後計画を立ててみましょう。
5. 家計の見直しから始める
65歳以上の無職夫婦の生活費を支えるために必要な年金額や貯蓄額について、数字を交えながら具体的に解説しました。
年金だけではカバーできない部分が大きいので、今からの準備がとても大事です。
もちろん、貯蓄や資産形成の計画も必要ですが、まずは家計の見直しから始めるのが一番手っ取り早い方法です。
まだできることがあるはずなので、少しずつでも今のうちに確認して、将来の不安を減らしていきましょう。
