4. 年収1000万円でも「高収入とは言い難い」理由とは?
前章では、年収1000万円以上の世帯における貯蓄状況を見てきましたが、実際には貯蓄ゼロの世帯が一定数存在していることがわかりました。
年収が1000万円を超えていても貯蓄ができない理由として、まず挙げられるのが税負担の重さです。
年収が1000万円を超えると、所得税率は33%から45%と高水準になります。一方、年収300万円の場合は税率が10%であることを考えると、税負担の違いが手取り収入に大きく影響していることがわかります。
さらに、社会保険料の負担も加わり、実際の可処分所得(自由に使えるお金)は思った以上に少なくなるのが現状です。
また、高収入世帯は「所得制限」の対象になることがあり、利用できる制度やサービスが制限されることもあります。
こうした状況から、年収1000万円でも実際には高収入とは言えない場合があり、生活費や教育費の支出が大きく、貯蓄が難しくなっていることが考えられます。
将来の資金準備を視野に入れつつ年収を増やしたい方は、単に収入を上げるだけでなく、節税対策や家計の見直しを行うことで、より効果的に貯蓄を進めることができるでしょう。
著者
株式会社モニクルリサーチ
記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
神奈川県出身。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。中央大学文学部社会学科卒業後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師として全国の個人投資家向けにセミナーを実施。企業型確定拠出年金(企業型DC)だけでなく、個人型確定拠出年金(iDeCo)も含めた制度や仕組み、投資信託の解説や市況などを伝える。フリーランスを経て、フィンテックベンチャーにて広報を担当。
現在は株式会社モニクルリサーチにて金融関連の取材や自社メディアに関するPR業務も担当。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、新NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。(2026年7月11日更新)