公的基礎年金等を受給している世帯で、住民税非課税世帯に該当するなど一定の要件を満たす世帯は、「年金生活者支援給付金」を受給できる可能性があります。
年金生活者支援給付金は、低所得の年金生活者の経済的なサポートを目的とした給付金です。
受給している基礎年金の種類により、老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金の3つの給付金に分かれますが、それぞれ支給要件や支給金額が異なります。
本記事では、年金生活者支援給付金の概要や、3つの種類ごとの支給要件や金額を解説していきます。
1. 低所得の年金世帯に「年金生活者支援給付金」が支給
年金所得がある住民税非課税世帯で、所得が一定金額よりも少ない場合、「年金生活者支援給付金」を受給することが可能です。
年金生活者支援給付金とは、消費税率が10%に引き上げられた分を財源とし、公的年金などの所得が一定基準額以下の方に、年金に上乗せして支給されるものです。
現在基礎年金を受給している方で、新たに年金生活者支援給付金の支給対象者になる方へ、毎年9月以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されています。
受給するには、請求書を提出する必要がありますが、2年目以降は支給要件を満たしていれば、原則として手続きは不要です。
2. 年金生活者支援給付金の種類や受給要件
年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金の種類により以下の3つの種類に分かれます。
- 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
それぞれの支給対象者や支給金額を確認していきましょう。なお、対象者の要件は2024年10月現在のものです。
2.1 老齢年金生活者支援給付金
【支給対象者】
老齢年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、以下の3つの要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
- 世帯全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金の収入(※)とその他の所得との合計が以下の金額以下である
- 昭和31年4月2日以後に生まれた方:78万9300円以下
- 昭和31年4月1日以前に生まれの方:78万7700円以下
※障害年金と遺族年金などの非課税収入は含まない
【支給金額】
基準月額を5310円とし、国民年金保険料の納付済期間と免除期間に応じて、次の1と2を合計した金額が支給されます。
- 保険料納付済期間(月額)=5310円×保険料納付済期間/被保険者月数480月
- 保険料免除期間(月額)=1万1333円×保険料免除期間/被保険者月数480月
【補足的老齢年金生活者支援給付金】
老齢年金生活者支援給付金は、基準所得を少額でも超えてしまうと受給できません。そのため、わずかに超えてしまったために受給できない方よりも、受給者の方が所得が大きくなるケースがあります。
補足的老齢年金生活者支援給付金は、このような逆転が生じないようにすることを目的として支給されます。
対象になるのは、合計所得金額が以下に該当する方です。
- 昭和31年4月2日以降生まれで、78万9300円超88万9300円以下の方
- 昭和31年4月1日以前生まれで、78万7700円超88万7700円以下の方
2.2 障害年金生活者支援給付金
【支給対象者】
障害年金生活者支援給付金は、次の2つの要件をいずれも満たしている方が対象です。
- 障害基礎年金を受給している
- 前年の所得が472万1000円以下である
障害基礎年金を受給している方で、障害年金などの非課税収入を除く所得が472万1000円以下の方です。なお、基準所得は扶養親族の人数に応じて変動します。
【支給金額】
支給金額は障害等級によって以下のように異なります。
- 障害等級2級:月額5310円
- 障害等級1級:月額6638円
2.3 遺族年金生活者支援給付金
【支給対象者】
遺族年金生活者支援給付金は、次の2つの要件をいずれも満たしている方が対象です。
- 遺族基礎年金を受給している
- 前年の所得が472万1000円以下である
遺族基礎年金を受給している方で、遺族年金などの非課税収入を除く所得が472万1000円以下の方です。なお、基準所得は扶養親族の人数に応じて変動します。
【支給金額】
支給金額は、月額5310円です。
ただし、遺族基礎年金を受給している子どもが2人以上いる場合は、5310円を子どもの人数で割った金額がそれぞれに支給されます。
例えば、子ども2人が遺族基礎年金を受給している場合は、それぞれ2655円(5310円÷2人)ずつを受給できます。
3. 【注意】支給要件を満たしても支給されないケース
年金生活者支援給付金は、各支給要件を満たしていても、また、日本年金機構から封筒が届いた場合でも、以下のいずれかに該当する場合は支給対象外となります。
- 日本国内に住所がない方
- 年金が全額支給停止になっている方
- 刑事施設等に拘禁されている方
4. まとめにかえて
老齢基礎年金などを受給している世帯で、所得が一定基準以下の場合は、年金生活者支援給付金が支給されます。
該当者には9月以降、年金生活者支援給付金請求書が送付されていますので、お手元に届いている場合は必要事項を記入のうえ、すみやかに返送しましょう。
また、支給要件にあてはまるか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書と所得情報等を確認するための所得状況届が送付されています。お手元に届いていないか、併せて確認してください。
もし、支給要件に該当する方で年金生活者支援給付金請求書がお手元に届かない場合は、給付金専用ダイヤルに電話をするか、近くの年金事務所に問い合わせてみましょう。




