1.2 地政学リスク
地政学リスクは、もともと日本にもありますが、特に近年、このリスクが高まっています。とりわけ台湾をめぐる問題は日本に大きな影響をもたらすリスクのひとつです。
また、日本と北方領土問題を抱えるロシアは、ウクライナ問題により、周辺国だけでなく国内にも不安要素を抱えています。北朝鮮と軍事的なつながりを強めている面も気になります。
隣国の韓国に関しては、年末に大きなニュースが飛び込んできました。今回の事態を受けて、仮に来年政権が変わることになると、軍事的に協力関係にある日米韓の連携に不安定さが増す可能性もあります。
地政学リスクが高まれば、関連地域に関係する企業の収益が悪化、個人の消費活動が停滞する要因になります。日本への投資が減少する可能性も出てくるでしょう。
2. 2025年の投資戦略
2025年の注目ポイントをお伝えしてきましたが、個人投資家はどのように対応していけばよいのでしょうか。
基本的には、長期・積立・分散投資でコツコツと投資を続けていくことにつきますが、米国株の配分には、やや気をつける必要があります。
現在、日本で販売されている投資信託のうち、純資産総額の上位を占めるのは米国株式に関係するファンドです。たとえば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は米国株式の組み入れ比率が高く、S&P500に連動するインデックスファンドなどと一緒に保有すると米国株の配分が高くなりすぎます。
2025年は良い意味でも悪い意味でも、米国に注目が集まりやすい状況です。各国の情勢は刻々と変わるため、現時点で予測することはできませんが、米国の動きを注視つつ、バランスのよいポートフォリオになるように配分しましょう。