2024年11月22日、住民税非課税世帯へ1世帯あたり3万円の給付金支給が決定しました。
住民税が非課税となる世帯にはさまざまな年齢層の人がいますが、なかでも高齢者世帯が多くなっています。理由は年収の壁の一つとされる「211万円の壁」と考えられるでしょう。
この記事では、211万円の壁や住民税非課税世帯のうちの高齢者世帯の割合などについて解説します。。
1. 「211万円の壁」と「年収の壁」のおさらい
「211万円の壁」は年収の壁の一つです。年金収入だけで暮らす65歳以上の夫婦世帯の住民税が非課税となる目安とされます。
東京23区のような1級地で夫婦二人世帯の住民税が非課税となるには、世帯主の所得金額が「35万円×2+31万円以下=101万円」以下である必要があります。ただし、65歳以上の年金収入は110万円まで非課税のため、実質211万円までは住民税がかからないのです。
65歳以上の夫婦世帯の世帯主に住民税が課税されるボーダーラインが211万円であることから「211万円の壁」とよばれています。
ただし、世帯主が211万円の壁の条件を満たしていても、配偶者の収入が155万円を超えてしまうと、住民税が課税されてしまいます。こうなると住民税非課税世帯とはならないため、配偶者の収入額には注意が必要です。
年収の壁にはさまざまなものがあります。211万円の壁だけでなく、他のものもあらためて整理しておきましょう。
- 100万円の壁:住民税の課税対象となる収入金額
※自治体によって異なる - 103万円の壁:所得税の課税対象となる収入金額
- ※給与収入を受け取る人の場合
- 106万円の壁:従業員51人以上の企業で所定の要件を満たす人が会社の社会保険の加入対象となる収入金額
- 130万円の壁:国民年金や国民健康保険料の加入対象となる収入金額
- 150万円の壁:配偶者特別控除が満額適用とならなくなり所得税負担が増えていく収入金額
- 201万円の壁:配偶者特別控除が適用されなくなり所得税負担がさらに増えていく収入金額
- 211万円の壁:年金収入だけで暮らす夫婦二人世帯が住民税課税対象となる収入金額
※自治体によって異なる
100万円、103万円、150万円、201万円は住民税や所得税、106万円や130万円は社会保険料に関する年収の壁となっています。211万円の壁は地域によって条件が異なる場合があるため、住んでいる自治体の住民税が非課税となる要件をよく確かめておくことが重要です。
では、住民税非課税世帯のうち、高齢者世帯はどれくらいの割合なのか、次章で見ていきましょう。